https://corkbooks.com/stories/?id=92
(総評)
『ドラゴン桜2』の中に出てくる #強いセリフ を使った漫画作品を募集しました。
さまざまなジャンルの投稿作品が集まり、同じセリフをテーマにしても漫画家さんによってこんなに作品の幅が出るのか…!と嬉しい驚きがありました。たくさんのご投稿ありがとうございました。
「強いセリフ」はやはり「強いキャラクター」が居てこそ使えるもの。
強いキャラクター作りのコツについて、三田紀房先生にコメントをいただきました。
“キャラクターを描くというのは、心理を描くことです。
キャラクターには外見と内面があり、読者が共感するのは内面。内面をどれだけしっかり作者がつくれるかが肝になってきます。
「この人はこういうときは必ずこうする!」「こうって決めたら絶対ブレない!」と作者が言い切れることが大事。
強いキャラクターというのは、勇気があることではありません。弱ければ弱くてもいいんです。泣き虫、弱虫、臆病でもいい。弱さがあるのならば、どれほど弱いのかを徹底的に描く。人間の弱さはこうだ、と作者が言い切れる状態をつくる。
それが「キャラが強い」「キャラが弱い」という表現につながるんじゃないかと思います。”
今回の企画が、漫画家のみなさんの今後の創作活動において、何かひとつでもヒントになれば幸いです! (担当編集 岡本)
ドラゴン桜2 公式アカウント
@mita_norifusa
【大賞】こういう時、運に乗れって言ってほしい。
https://corkbooks.com/articles/?id=1777
(三田先生コメント)
非常にセンスのある方だと思いました。店長のキャラクターがいいですね。
この6ページを見るだけで、漫画家としての才能があると分かる。キャラクターというのは心を描かないといけないもの。心の動きが、最初とラストできちっと描かれている。それがちゃんと描かれているので、非常にセンスがあるなと。漫画家としてポテンシャルを持っている方だと思います。
(岡本コメント)
最高です。決めゴマ「運に乗れ」の店長の表情、そして「運ってのはシフト制で来てくんねーからよ」というセリフがなんとも胸に染み入ります。多くを語らない二人のラストシーンも素晴らしい。
店長のキャラクターがいいですね。人手が足りず、大変な時期に伝えられる退職の意思。普通ならここで嫌な顔をされてしまいそうなものですが、この店長さんはどんと背中を押してくれる。もし自分が店長と同じ立場だったら、こんな風に人の人生を応援するためにどんと背中を押せるだろうか、と考えてしまいました。かっこいい。こんな風に生きたいです。
【佳作】持つべきものは
https://corkbooks.com/articles/?id=1779
(三田先生コメント)
非常に好感が持てますし、爽やか青春ものとしてちゃんとまとまっている。このページ数にしてこの内容はすごいですね。素晴らしい。
見せたいシーン、描きたいシーンのイメージがしっかりとある方なんでしょうね。
特にゴールがはずれるページ。時間が止まっているけどプレイが動いてる様子や、失敗したことによる気持ちの動き、失敗したことを象徴的に描いています。こういった部分にセンスがあると感じます。
ただ、「運に乗れ」と言ったあとが勿体ない。漫画を描く上でセリフを言った後の表情を見せることって、とても大事なんです。何か突き刺さることを言われたあとの表情を読者に見せないと、そのセリフの効果が現れない。
せっかくここで決めゼリフを言ったんだから、その後の女の子の表情と、言った彼の表情両方をきちんと見せる。勇気を出して言った男の子の表情も大事です。
セリフを言った本人の表情もキッチリ描いてあげると、感情が増幅します。読者もさらにキュンとできると思います。まだ描いている本人の照れが少し出ているのかな。
ところどころ照れているので、思い切って突破しよう。照れが捨てられるかどうかがプロとアマの分かれ目です。そこをブレイクスルーすれば、プロとしてやっていけると思います。
【入賞】失敗したときは笑え 前向きマン
https://corkbooks.com/articles/?id=1671
(岡本コメント)
私が言いたかったことは、すべてシャープさんが言ってくださいました…!https://corkbooks.com/review/sharp/?id=5
娘からのプレゼントを受け取って喜ぶこしのさんの、なんとかわいいことか。
「失敗した時は笑え!」というセリフが、あたたかい家族の風景に溶け込むと、こんな微笑ましいストーリーになるのですね。家族のほんわかとした空気感が素敵です。実家の両親に会いたくなりました。
【入賞】同じ月を見てきれいだと言いたい
https://corkbooks.com/articles/?id=1760
(岡本コメント)
まさかあの「ツイッターをやれ!」というセリフが、こんなロマンチックな響きを持つことになるとは……!同じセリフでも扱い方によってこんなに変化するものなのか!と一番驚いた作品です。
3年先のことなんて分からない。でも待っていたい。せ、切ない……。この二人が今後も続きますように…と思わず応援したくなります。きゅんとくる、素敵な作品です。
【入賞】運にのれ?
https://corkbooks.com/articles/?id=1677
(岡本コメント)
他人のピンチを無我夢中で救った結果、自分のツキが回ってくるサクセスストーリー。自分をよく見せようとせず、ありのままで頑張るゆみみのキャラクターに好感が持てました!背伸びをして理想の自分になることよりも、ありのままの自分で輝くことの方が幸せなのかもしれませんね。爽やかな作品!
たくさんの投稿ありがとうございました!
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https://corkbooks.com/stories/?id=92