エピソード10でも応募させていただきます。
とても深いお話だと思ったので、僭越ながら漫画にしました。
それでも気持ち的には足りず、こちらで解説させていただきます。
こちらのお話は、乳がん全摘後の新人看護師さんと新人患者さんのお話。
新人看護師とはいえ、国家資格に通った免許を持ってるわけですが技術はこれからです。
そんな、誰にでもある時期に素敵な患者さんと出会ったんだなぁと思いました。
乳がんの摘出後は、点滴や採血や血圧測定など、摘出した方の胸の手ではできなくなります。
そんななつめさんにとって、点滴で使える手が半減している状態で、Sさんの点滴確保。
本来なら、そんな対象者に何度も新人を当てて、という苦情に繋がってもおかしくないでしょう。
それでも、Sさんは数少ないチャンスを反省し次に生かし、この病棟で育っていかなければいけません。できないことをそのままにしているわけにはいきません。ここが彼女の居場所な限り。
その焦りと、ひたむきな思いが姿勢に現れ、患者さんにも伝わったんだと思います。
なつめさんは一生懸命なSさんの姿勢に、
「この子が育つ手助けが自分にできるなら」と感情を重ねた結果、
何度失敗されても嫌な顔をせず、にこやかに対応なさった。
看護師は「患者さんに甘えるな」と教育されます。
ただでさえストレスのある入院生活の中で、これ以上の負荷を与えるなと。
それでも、経験させてもらえなければ技術面は育つことができません。
先輩に、医師に、そして患者さんに育ててもらい看護師になります。
自身のことでもいっぱいいっぱいな入院生活中に、
新人の姿勢までも見抜けて優しくできるなつめさんは素敵だし、
失敗しても臆することなく一生懸命業務に励んだSさんは努力家です。
時には新人の失敗を見て、怒ってしまう先輩看護師もいますが、
それはできない彼女に向って怒りを向けているのではなく、
患者さんを守りたい一心で感情的になってしまう、そんな理由であってほしいなと思います。
そうやって、誰かを守りたい気持ちを大切に、
これからも現場が動いていくといいなと思います。
ちなみに点滴なんですが、逆血の確認をしてから点滴に繋ぎ確認をします。
逆血があれば針先が赤くなります。逆血がない、という表記についての説明でした。
ちなみに、針先の色は24Gが黄色、22Gが青、20Gがピンクです。
数が少なくなればなるほど太く痛いものになります。
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