僕は元来エンジニアなのですが、コルクBooksを運営で必要に迫られ、本や映画のエンタメ、プロ編集者に聞いたりして、編集技術についてたくさん勉強しました。
その中から今回は新人編集者なら読んでおくべき本を紹介したい。
GW中の読書に選んでもらったら嬉しいです。
<業界編>
仕事するとき・就職するとき・新しい事業をやるとき、いつでもそうですが、まずは業界を知ることが大事ですよね。
業界の現状を知らないと、未来の一手は打てません。
まずは業界の歴史を知り、編集者というのがどういう仕事を知りましょう。
(1)はじめての編集(菅付雅信 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4903951480/?tag=corkbooks-22
編集とはどういう仕事なのか?というのがよくわかる本です。
表紙に、「編集は企画を立て、人を集め、モノを作るために、言葉とイメージとデザインをアンサンブルすること。メソポタミア文明の壁画からレディー・ガガのfacebook、マクルーハンからIKEAのトリセツまで、編集の仕組みと魅力を解き明かす21世紀の編集入門書」とある。
まさに、業界がよく分かる本だ。
(2)さらば、わが青春の「少年ジャンプ」(西村 繁男 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4877285253?tag=corkbooks-22
マンガ雑誌といえば、やっぱり「少年ジャンプ」。
「少年マガジン」や「少年サンデー」など強い競合がいる中、どうやってジャンプが業界No1の位置まで上り詰めたのかがよくわかるマンガ編集者必読の書。
(3)マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?(飯田 一史 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065123879?tag=corkbooks-22
マンガアプリが沢山出現し、電子書籍市場が伸び、海外ウェブトゥーンが伸びる中、マンガはどうなっていくのか?
その現状認識と、日本のマンガ業界の危機がわかる良書。
<ディレクション編>
マンガ編集者は、マンガ作りをやりたくて、マンガ編集者になった人が多いだろう。
そういう意味で、漫画家の気持ちになって、マンガ作りをするためには何を考えればよいのか?というのは大事だ。
マンガ作りでよく言われるのは、キャラ立てする、面白い企画などなどだが、まずは下記の本を読むといいだろう。
ちなみにコルクBooksでは、マンガづくりに必要な要素を
・主人公のキャラ
・関係性
・演出力
・ストーリーテリング
・画力
・コラボ力
の6つに分けて考えている。
↓詳しくはこちら。
https://corkbooks.com/stories/pop
(4)マンガの描き方(手塚 治虫 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334722636?tag=corkbooks-22
やっぱり、手塚治虫先生は偉大だ。
新人漫画家にマンガの描き方の本をおすすめするなら、やっぱりこれからだろう。
(5)荒木飛呂彦の漫画術(荒木飛呂彦 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B012MLQ9SG/?tag=corkbooks-22
少年系のマンガを描くのであれば、まずはこれではないか?
荒木先生は、マンガの基本構造を
キャラクター・ストーリー・世界観・テーマの4つであると言い切っている。
これは、全てのジャンルのマンガにとってそのとおりであり、
あとは、少年系だと主役の成長、少女系だと男女の関係性、青年系だと日常の関係性などちょっとずつ重要度が変わってくるのではないだろうか。
(6)小池一夫のキャラクター創造論(小池一夫 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01KUW2A4G/?tag=corkbooks-22
やっぱりマンガはキャラが大事だ。
魅力的なキャラを作れるか?が、マンガづくりの全てだ。
キャラクター作りを考えるとき、小池先生のこの本はすごく参考になる。
ドラゴン桜の三田先生は、
『人間の魅力とは、表と裏、光と影、強みと弱みがありますよね。
漫画家は「かっこいいキャラ」とは何か?を作り込めるかです。』
と仰っていた。
確かに桜木建二は圧倒的に魅力的なキャラだ!
僕はいつもこのコトを考えながら編集を行う。
(7)ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法 ― The Illusion of Life ― (フランク・トーマス (著), オーリー・ジョンストン (著), 高畑 勲 (編集))
https://www.amazon.co.jp/dp/4198615004?tag=corkbooks-22
漫画家や編集者と話していると、映画好きは多い。
ハリウッドでは複数人で創作することが当たり前で、監督・プロデューサー・脚本家・アニメーターなど分業している。
ディズニーの創作の全てがわかるし、監修が高畑勲というすごい本だ。
例えば、高畑勲の翻訳だと、
Real・Realistic・Believableの違いについて説明されている。
創作物、つまりアニメ・マンガはBelievable、つまり、信じられる、本物と思える、作り物とは思えないという状況を創り出すことが必要だ。
<プロデュース編>
編集者の重要な仕事に、創作物を最大限に売るという責務がある。
作家が創った創作物をどううるか?
また漫画家のファン作りをどうするのか?はこれからの編集者にとってとても重要だ。
そういう意味で、コミュニティを作るということを学ぶことが、
これからの編集者にとって重要ではないか?という意味で下記の本を紹介したい。
(8)インターネット的(糸井重里)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00799SLAG/?tag=corkbooks-22
いまからのプロデュースはインターネットを抜きには考えられない。
そして、そしてインターネットとは何か?を考えるとき、この本を抜きは考えられない。
インターネットとは、「リンク・フラット・シェア」なのだ。
まずはこの本を読まないと、コミュニティプロデュースは始まらない。
(9)グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ(デイヴィッド・ミーアマン・スコット 著, ブライアン・ハリガン 著, 糸井重里 監修)
https://www.amazon.co.jp/dp/4822248526/?tag=corkbooks-22
皆さん、グレイトフル・デッドというアーティストをご存知だろうか?
ビートルズより、ローリング・ストーンズより儲けてしまったバンドとして有名で、
現代のアーティストはすべてグレイトフル・デッドを勉強していると言われている。
その真髄はファンコミュニティを作るということなのだ。
フリーミアムを実践し、チームを作り、ファンを巻き込む。
それがグレイトフル・デッド流である。
マンガ業界にも本当に参考になる。
(10)ファンベース(佐藤尚之 著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B079JRSVVQ/?tag=corkbooks-22
それでは、どうやったファンコミュニティを作るのか?
そう考えたとき、重要なのはファンベースにすることだ。
ファンベースの基本的な考え方は、
「共感」から「熱狂」へ
「愛着」から「無二」へ、
「信頼」から「応援」へ
だ。
これからの編集者はこれを考えるべきなのだ。
以上の10冊が新人編集者に必要な本だと僕は考える。
この10冊の本をベースにコルクBooksでは、新人編集のための勉強会を実施しようと考えています!
もし興味ありましたら、DM頂けたら嬉しいです。
最後にコルクBooksでは、編集インターン生やエンジニアの仲間を募集しています。
一緒に漫画家コミュニティを育て、MANGAをグローバルなエンタメにしていきたい人はぜひご連絡ください!
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