DMMグループが設立したウェブトゥーンスタジオ「 GIGATOON Studio 」とコミチが共同で開催した漫画賞「GIGATOON Studio 縦読みマンガ大賞」。
応募総数124件と、たくさんの漫画家さんに関心をお寄せいただきありがとうございました。
それでは、結果発表です!
入賞
善見さんはさよなら(八代 涼)
童貞の国(東去宇人)
就活幽霊じゅおん(じゅんた)
あげパンとポニーテール(和久)
コミチ賞:シャープさん ( @SHARP_JP )
就活幽霊じゅおん(じゅんた)
シャープさんからのコメント
スマホでの縦読み漫画、いわゆるウェブトゥーン作品と作家を育てる試み、GIGATOON Studio 縦読みマンガ大賞に、私は『就活幽霊じゅおん』という作品をコミチ賞に選びました。理由はただひとつ。続きが読みたいからです。
生と死が入れ替わる幽霊の世界では、価値観も美意識も道徳もひっくり返ってしまいます。そんな幽霊の世界における就活も、人間の就活に求められる要素からはなにもかもが反転します。かわいいは正義ではなく悪。健康な肉体は不要。外見はグロテスクであればあるほど、幽霊界では重宝されます。
しかし皮肉なことに、価値観や美意識が反転したところで、求められるのは幽霊も人間も外見至上主義。行き着く先は、われわれとなんら変わらない、窮屈な地点なのです。おそらく就活は人生の中でもっとも、人間の価値観の歪さに晒される時間ではないかと、私は思います。幽霊の就活を通して、その歪さが反転して描かれることを期待しています。
コミチ賞:たられば ( @tarareba722 )
あげパンとポニーテール(和久)
たらればさんからのコメント
どの候補作も興味深く拝読しました。なかでも『あげパンとポニーテール』を挙げたのは、作品を流れる空気感が一番素敵だなということで選出しています。作中に出てくる和歌は、万葉集(巻七、一一九九)に収められた、作者未詳のものですね。
「藻刈り舟 沖漕ぎ来らし妹が島 形見の浦に鶴翔る見ゆ」(私訳/沖を藻刈舟が漕いでゆく。妹が島と形見の浦を、鶴が飛んでゆく様子も見える)
「妹が島」と「形見の浦」は、和歌山県和歌山市北部、加太港のあたりだと考えられています。穏やかな海に、舟が一艘あり、それが近づいてくるのを察知した鶴が飛び去ってゆく。風光明媚な情景のなかに「静」と「動」を詰め込んだ歌です。
そうした穏やかさと(青春の)疾走感のバランス、空気感が、作品全体にも流れているように思い、一票入れました。
続きが読みたいし、キャラクターたちを応援したくなりました。
GIGATOON Studioからの総評
GIGATOON Studio初となる漫画賞『GIGATOON Studio 縦読みマンガ大賞』には編集部の想定を超える数多くの作品の応募がありました。
所謂WEBTOONと呼ばれるタテ読みマンガ、そして弊社の取り組みへ興味を持っていただいたクリエイターの方々へ、まずは感謝の念を伝えたいと思います。
今回、大賞該当作品はありませんでしたが4作品が入賞作品として選定されました。
これらの作品には担当編集がつき、タテ読みマンガ形式での連載を目指して行きたいと考えています。
弊社がタテ読みマンガの連載の際に重視するのは、3点。
「物語を読み進める推進力」、「読者が混乱する複雑さが排除されたわかりやすさ」、「タイトルとキービジュアルで興味を引くフック」です。
今回入賞した4作品はそのポテンシャルを大いに感じる作品でした。
GIGATOON Studioでは新たな才能、挑戦したい気持ち、好奇心を持ったクリエイターの方への門戸を常に開いております。
今回受賞を逃した方や投稿を見送った方も、今後の賞レースや、GIGATOON Studio関係者のTwitter、弊社ホームページなどでコンタクトを取っていただくのは大歓迎です!皆さまからのご連絡お待ちしております!