家族には脳梗塞と、そのサインである「FAST」の話をしていた。医師として、家族には身体の不調に早く気づいて欲しいと思っていた。
ある日母に電話した際、体調が悪いと言われたが、大して心配していないようで、病院に行くつもりもないようだった。しかし、軽い麻痺がある様子で、舌ももつれていたので、脳卒中を疑って直ちに救急車を呼ぶように伝えた。救急隊も脳卒中と判断して適切な病院に搬送してくれたので、早期の専門的治療を受けることができた。
日頃から病気のサインについて伝えていたつもりだったが、実の母の行動には全く結びついていなかった。もし自分が医師ではなく、母の症状に気づかなかったらと思うとゾッとした気持ちになった。