6137 2 2 false zlzkgVgucEDrQNxvP0d34ZDS5iM1qZ0R b7eca0490485a97717d1c5efbe57b402 32ページの読み切りを描き切る!その思いとは?!【マンガQ第2号掲載漫画家インタビュー・コジママユコ編】 0 0
コミチさんの作品:32ページの読み切りを描き切る!その思いとは?!【マンガQ第2号掲載漫画家インタビュー・コジママユコ編】

いよいよ5月12日、共感系マンガ雑誌『マンガQ』の第2号が刊行されます。それを記念し、今回掲載されているSNS時代の新進気鋭のマンガ家13名にインタビューを実施しました!



今回のインタビュー相手は、マンガ『夜の劇場より』の作者・コジママユコさんです。



32ページのマンガを描くのは今回が初めてだったというコジマさん。



赤面症の少女を主人公に据えた理由とは何か?


過去の自分と向き合って描いた作品を届けたい相手とは?




SNS時代において、世に熱狂を起こそうとしているマンガ家たちの声をお聞きください!




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手ごわかった「32ページ」の壁



ーー本日はよろしくお願いいたします!『夜の劇場より』読ませていただきました。



コジマさん:ありがとうございます!



ーーコルクBooksの投稿作品を拝見すると、『夜の劇場より』の一番初めのプロットは昨年の9月に投稿されていますよね。かなり長い制作期間かと思いますが、描いてみてどうでしたか?



コジマさん:そうですね。32ページという、これまでに描いたことがない長さのストーリーだったので、だいぶ苦労しました。初めはタイトルも少し違っていて、『夜の劇場にて』だったんです。



ーーそうなんですね。タイトルを変えた理由はなんだったんでしょうか?



コジマさん:今回のストーリーは、初めは暗いところにいた主人公が、最後は自分を解放して、明るいスポットライトの元へたどり着くというものです。それなのに、「にて」という言葉だと、ずっと暗い夜の劇場にいるというイメージになってしまうなと思って。暗いところから明るいところへ、というイメージを強調させるために「より」という言葉に変えました。



ーー『夜の劇場より』を描く中で、苦労したことはなんでしたか?



コジマさん:やっぱり32ページとページ数が多いので、いかに飽きずに読み切ってもらえるかというところが大変でした。ページ数が多いとどうしても淡々と説明的になってしまうんですよね。こしのりょう先生にもネームを見ていただいて、見せゴマの作り方や、単調にならないために「1ページの中に同じ大きさの顔は描かない」といった具体的なアドバイスをいただきました。



ーーなるほど。こしの先生のアドバイスと試行錯誤があって今の『夜の劇場より』に行き着いたんですね。反対に、描いていて楽しかったことはありますか?



コジマさん:ネームがつらかった分、ペン入れが楽しかったです。特に今回は赤面症の女の子が主人公ということで、表情に力を入れて描きました。そこにも注目して読んでもらえたらと思います。





赤面症だったあの頃の自分を救いたい




ーー『夜の劇場より』を制作するきっかけとなった体験や感情はコジマさんの中にあったのでしょうか?



コジマさん:はい。私自身、中学生のとき赤面症だったんです。それなのになぜかクラス委員長的な役割をやらされてしまったことがあって。それで、いつか赤面症の主人公が救われていくマンガを描きたいと思っていました。



ーーそうだったんですね。そういったつらい体験が創作の原動力になることもよくあるんでしょうか?



コジマさん:そうですね。今回のマンガに限らずですが、私は過去の自分を想定読者としてマンガを描くことが多いです。赤面症で悩んでいた中学生の私が、もし『夜の劇場より』を読んだら、救われてほしいという思いで描きました。



ーーご自身の体験や感情が創作の大きな原動力となっているんですね。ちなみに今回は作品の中に劇中劇が登場しますが、あの劇はコジマさんのオリジナルなんでしょうか?



コジマさん:そうです。クライマックスのシーンで、ひばりが自分自身を解放するところと劇の内容をリンクさせたくて。あの劇は「昔の日本のお姫様の復讐劇」という設定なのですが、黒い感情を爆発させる演技をすることで、今まで感情を抑圧してきたひばりが自分の殻を破る姿と重なるようにと思って作りました。



ーーまた、コジマさん自身とリンクするところが多いという主人公のひばりを始め、登場人物がみんな魅力的だと感じました。キャラクターを作るときに何か意識していることはありますか?



コジマさん:弱点を考えることですね。キャラクターの長所だけでなく、「この子はどういうときにズルくなったり、怠けたりするんだろう」と考えていくと、人としての立体感が生まれると思います。例えばひばりは、赤面症というところもそうですが、それを理由にうまく人と話せなくて、自分の殻に閉じこもってしまう、ちょっと強情なところがあります。そういう人間らしい弱点を意識的に考えるようにしています。




コルクBooksは、投稿するだけで褒めてくれる!




ーーそもそも、コジマさんがマンガを描き始めたきっかけはなんだったんでしょうか?



コジマさん:子供の頃から絵を描くことが好きで、美術系の大学に進学したんですが、描きたいことが見つからなくてマンガからは離れていました。その後、マンガやデザインとは直接関係のない仕事に就いたんですが、なんとなく充実感を得られない毎日が続いて。やっぱり絵を描くことやデザインに携わりたいと思って、まずはイラストを描いて公募展に応募していました。そのアイデア出しをしているときになんとなくマンガを描き始めて、ブログに投稿し始めました。



ーーなるほど。そこからコルクBooksに投稿したきっかけはなんなんでしょうか?



コジマさん:もともとコルクのツイッターをフォローしていたんですが、あるとき「#プロフェッショナル」というお題が流れてきて、投稿してみよう!と思ったんです。始めはTwitterに投稿するものだと思ったんですが、どうやらそうではないということに気がついて(笑)。そこで、コルクBooksに登録して投稿を始めました。



ーー実際にコルクBooksに投稿してみて、どうでしたか?



コジマさん:SNSに作品をあげるってちょっと怖いなって気持ちがあって。エッセイマンガとかってたまに炎上したりもするじゃないですか。でもコルクBooksはそういうことがなくて、すごく褒めてくれるんです。なんなら投稿するだけでも褒めてくれる!(笑)



ーー確かにそうですね(笑)コルクBooksに投稿し始めて、何か変化はありましたか?



コジマさん:読んでくれる人のことを考えるようになりましたね。コルクBooksに投稿すると必ず反応があって、アドバイスももらえるので、読者を意識するようになりました。ブログに投稿していたときはどうしても自分の好きなもの、描きたいものに偏りがちだったので……。



ーーアドバイスをもらえることで、描くマンガの幅が広がったということですね。




自分に自信がない人が、読んで救われてほしい




ーーコジマさんのマンガ家としての今後の展望を聞かせていただけますか?



コジマさん:とにかくもっとマンガが上手くなりたい!そして、お仕事に直結するような広告マンガなんかもたくさん描いてみたいですね。あとは、今回の作品は静かな雰囲気だったんですけど、もっと明るい雰囲気のストーリーマンガも描いてみたいです。



ーーコジマさんは、ご自身が描いたマンガをどんな人に読んでもらいたいですか?



コジマさん:もちろんそれぞれの作品によって微妙に違ったりはするんですけど、今回の『夜の劇場より』だったら、自分に自信がなかったり、「自分は何かに挑戦してはいけない人間なんだ」と思ってしまっている、かつての私やひばりに似た人に読んで欲しいなと思います。そして、少しでも救われたり元気になったりしてくれたら嬉しいです。



ーーありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています。




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以上、『マンガQ 第2号』に掲載されているマンガ『夜の劇場より』の作者・コジママユコさんへのインタビューをお届けしました。



ご自身の過去をもとに、自分に自信を持てない人たちを勇気付ける作品を生み出すコジマさん。今後の作品も楽しみです!



コジママユコさんのコルクBooksアカウントはこちら。そしてTwitterアカウントはこちらです。


ぜひ、マンガQを手に取り、マンガ『夜の劇場より』を読んでいただきたいです!そして、コジママユコさんのこれからのご活躍に注目ください!


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