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のうりにさいた・第1話 by 秒。dc-0-0 のうりにさいた・第1話 by 秒。dc-0-1

こんにちは!世界の点描たち。

 

これは主に人間が使用している言葉。

ぼくはそれらのうち「無」と「む」がぶつかった衝撃で生まれた何らかの文字。

 

本当は「ム」が現れるはずだったけれど、

ちょっと違ったみたいで文字の世界から今日追放された。

 

そういう風に教えてもらった。ちゃんと納得してる。

ぼくはつい先ほど生まれたばかり。

 

いるべきはずだった世界がどんなところだったのか詳しくはわからない。

 

その場所と空間には何もないように見えた。

ぼくが「無」から誕生したっていうことは確か関係しているはずさ。

 

でも本当は何もかもがあったに違いない。

 

ぼくはまだそこまでは理解していないようだな。

 

 

そういえばあの世界のみんなが見える形で記述されている辞書って書物は凄く便利なんだって。

 

人間という体毛が疎らなぶよぶよごつごつした生き物が日常で使っているらしい。

 

追放記念に辞書の下書きをいただいた。

「これで少しは学べるだろう」ってさ。

 

文字とその意味が全部入ったお水のことだ。

ごくごくっと飲み干した。

 

いつか本物を見てみたい。

 

 

 

今こうして思っていることを書いているのは辞書に記載されない寂しさも少しはあるし、

 

ふと自分の存在や体験を言語化してみようと思ったんだ。

 

だって誕生日なんだし!おめでとうおめでとう!

 

ぼくはあらゆるところに文字を残せる。

ぼく自身が文字だから、それは自分を残すということだ。

 

空中だったり、地底だったり、水の中だったり。

 

特に相性がよいのは水の中かな。

遠くまで流れてどんな場所にでも届けることができる。

 

命が始まったばかりでも、ぼくは言葉をそれなりには理解して、こうして書けているね。

文字の世界で生まれたからかな?ラッキー!

 

でもまだ上手く使えないと思うからちょっと間違っちゃうかも。

 

人間は筆記用具を使って植物を加工した薄い紙に書いたり、

端末機を使って文字をデジタル化するらしい。

 

鉛筆と消しゴムっていう文具にちょっと興味があるよ。

 

今はまだ練習中だから風が吹かない静かな場所に記述している。

 

 

 

「ム」になれなかったぼくでもとりあえずは文字の仲間。

 

追放されると妖精っぽくなってどこへでも自由に行っていいらしい。

(妖精じゃない。っぽいってだけ。羽もないし…)

 

というかどこでも行ける、何でもできるって言われたな。

文字はただの文字だし、誰にも使われることがないから迷惑はかけない。

 

あとぼくは「無」と縁があるから文字の世界でもどこの世界でも存在感がないよって淡々と言われた。

 

そういえば見送られる時に誰もいなかった。

これでは見送られたとは言えないよな。

 

とにかく文字の世界にはいちゃだめだったってこと。

 

ぼくみたいな存在は他にもたくさんいて、みんなこの宇宙空間や様々な次元の中で自由にやっているらしい。

 

「ム」が必要とされたのは、「ム」が使われてる新しい言語が生まれたからなんだって。

 

何ていう言葉だったんだろう。

 

ちょっと気になったけど教えてもらえなかった。

 

今頃きっと意味を付与された言葉の一部になっているだろう。

 

きっとまだまだ新しい言葉が生み出される。

 

人間って面白い。

 

ぼくは人間に使われることはないけどすてきな新しい文字さ。

 

このつぶやきを誰か見ているかな。

 

ぼくの言葉は留まることは出来ないからゆっくりと流れていくだろう。

 

きっと想像もしないどこかへたどり着く。

 

これが見えてるってことはあなたも妖精っぽい何かかもしれないね!

 

さあて、これから何をしようか。

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2024/10/5
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