核医学用放射性医薬品市場におけるコアポイント
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QYResearchの分析によれば、グローバル核医学用放射性医薬品市場は2025年に10,849百万米ドル規模に達した。
同市場は2032年までに19,710百万米ドルへ拡大すると予測される。
2026年から2032年の年平均成長率は8.8%で、医療用画像診断と標的治療の双方が需要を支える。
2025年時点で上位5社が約63.0%、上位10社が約77.0%を占め、一定の集中度を持つ市場構造である。
上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「2026~2032年のグローバル核医学用放射性医薬品市場調査レポート」から引用されている。
核医学用放射性医薬品とは、放射性同位体を含有し、核医学領域の診断画像法および標的治療に用いられる特殊な医薬化合物である。放射性核種と担体分子を組み合わせ、特定の臓器、組織、腫瘍などの病変部位に選択的に集積することで、分子レベルでの疾患可視化または治療を可能にする。調査範囲には、PET、SPECTなどの画像診断向け薬剤と、腫瘍細胞などに放射線を送達する治療用薬剤が含まれる。一方、一般的な非放射性造影剤、通常の抗がん剤、診断装置単体は市場範囲に含めない。
市場規模と今後5年予測:診断高度化と治療個別化が牽引
核医学用放射性医薬品市場は、診断用途を中心とした専門市場から、診断と治療を連動させる精密医療市場へ移行しつつある。QYResearchの最新レポートによると、2025年のグローバル市場規模は10,849百万米ドルに達し、2032年には19,710百万米ドルまで拡大すると予測されている。2026年から2032年のCAGRは8.8%であり、医療機器や一般医薬品に比べても、構造的な成長余地が大きい領域といえる。
成長の主因は、がん、循環器疾患、神経疾患など、早期診断と治療方針の精密化を必要とする疾患の増加である。PET/CT、SPECT、ハイブリッド画像診断の普及により、放射性医薬品の臨床的価値は単なる画像取得から、病変の局在、進行度評価、治療適応判断へと広がっている。特に腫瘍領域では、診断用トレーサーと治療用核種を組み合わせるセラノスティクスの考え方が市場拡大を後押ししている。
ただし、成長率の高さは単純な需要増だけで説明できない。短半減期核種を扱うため、生産、品質管理、輸送、投与までを時間制約の中でつなぐ供給網が必要となる。規制対応、放射線安全管理、サイクロトロンや原子炉などの製造基盤も参入障壁となるため、市場拡大と同時に供給能力の差が企業間の競争力を左右しやすい。
上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「2026~2032年のグローバル核医学用放射性医薬品市場調査レポート」から引用されている。ランキングは2025年のデータに基づいている。現在の最新データは、当社の最新調査データに基づいている。
主要企業ランキングと市場シェア:上位企業主導の階層型市場
QYResearchのトップ企業研究センターによると、核医学用放射性医薬品の主要企業には、Novartis、Cardinal Health、Lantheus Medical Imaging、Curium Pharma、China Isotope & Radiation、Jubilant Pharmova、Bayer、GE Healthcare、Bracco Imaging、Siemens Healthineersなどが含まれる。2025年には、売上ベースで上位5社が約63.0%を占め、上位10社では約77.0%に達した。市場は完全な分散型ではなく、頭部企業群が需要の相当部分を担う構造である。
一方で、極端な寡占市場とまでは言い切れない。診断用薬剤、治療用薬剤、地域別の供給網、病院・検査施設との接点が複数存在するため、企業ごとに強みの置き所が異なる。上位企業は製造能力、規制対応、販売網、核種供給の安定性で優位に立つが、後続企業にも特定核種、地域供給、CDMO機能、臨床開発パートナーとしての参入余地が残されている。
主要企業の動向
競争の焦点は、製品ポートフォリオの拡張だけでなく、時間制約の大きい放射性医薬品を安定供給する能力へ移っている。2026年1月、米国フロリダ州ウィンターパークで、Novartisは放射性リガンド療法向け製造施設を追加する計画を発表し、米国内の治療用放射性医薬品供給網を強化する方針を示した。これは、供給能力強化と地域アクセス改善を同時に狙う動きである。
診断領域では、製剤改良と商業展開の効率化が競争軸となっている。2026年3月、米国マサチューセッツ州ベッドフォードで、Lantheus Medical ImagingはPSMA PET画像診断薬の新製剤PYLARIFY TruVuについて米国食品医薬品局の承認を発表した。より大きなバッチ製造や供給柔軟性を見込む内容であり、診断薬市場でも製造効率と地理的カバレッジが重要になっている。
治療用核種と臨床データの蓄積も、将来の差別化要因である。2026年2月、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたASCO GU 2026において、Curium Pharmaは転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象とするルテチウム177標識治療薬候補の薬物動態および線量評価データを発表した。技術アップグレード、供給能力強化、臨床用途深化の三方向で競争が進んでいる。
今後の展望
今後は、北米と欧州が引き続き重要市場であり続ける一方、医療インフラ投資が進む新興国でもPET/SPECT設備と核医学人材の整備が市場拡大の前提条件になる。用途面では、前立腺がんを中心とした腫瘍診断・治療に加え、神経疾患、循環器疾患、希少疾患に関連する新規トレーサーの開発が注目される。AIを用いた画像解析、患者層別化、線量設計は、放射性医薬品そのものの価値を高める周辺技術として重要性を増す。
競争構造は、上位企業への集中が一定程度続く一方で、すべての領域が単一企業群に収れんするわけではない。核種製造、標識技術、臨床開発、地域配送、規制対応の各機能で専門企業が関与するため、分業型の競争も併存する。将来の競争力は、製品単体の有効性だけでなく、短半減期核種を確実に届ける供給設計、医療機関との連携、承認取得後の商業展開力によって左右される。
日本企業への示唆
日本企業にとって、核医学用放射性医薬品市場の拡大は、医薬品、医療機器、診断支援、物流、素材・装置の各領域で事業機会を評価する材料となる。市場参入を検討する企業は、製品候補の有無だけでなく、核種調達、製造拠点、品質保証、地域配送体制まで含めた事業設計を早期に検証する必要がある。提携先の選定では、上位企業の市場シェアだけでなく、PET施設網、治療用核種への対応力、臨床開発パイプラインを確認することが有効である。競合追跡や投資評価では、Novartis、Lantheus Medical Imaging、Curium Pharmaなどの供給能力強化と製剤開発の動きを継続的に見るべきである。社内稟議や新規事業検討では、成長率の高さだけでなく、規制、物流、設備投資、人材制約を含めた実行可能性評価が経営判断に資する。
本記事は、QY Research発行のレポート「核医学用放射性医薬品―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
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https://www.qyresearch.co.jp/reports/1655108/radiopharmaceutical-for-nuclear-medicine
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QYResearch会社概要
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