漫画家・ Chihir。の アリスとネズミ
両想いから始まるのに結ばれない。
恋人制度のない異世界で、
感情が重なると最強になる二人のラブファンタジー。
ーーーあらすじーーー
電車で助けてくれた青年に、私は一目惚れした。
彼の後を追って迷い込んだのは“不思議の国”。
「EAT ME」と書かれた怪し過ぎるクッキーを食べなかったので
小さな扉から入国せず、普通に事務所のドアみたいなのを開けて
下水道から入国した私は「ネズミ」と呼ばれる事になった。
不法入国者として記憶を消すため逮捕されそうになった時、
彼――アリスが“社員ビザ”を発行してくれた。
実は彼も、私に一目惚れしていた。
けれどこの国に「恋人」という関係はない。
あるのは結婚のみ。
しかも住人になるには、人間界を捨てなければならない。
すぐに答えを求めないアリス。
「まずはこの世界を知ってほしい」と微笑む彼。
赤の領地と黒の領地に分かれた『不思議の国』では誰もが魔法を使う世界。
魔法は人間界の数式と同じで魔法式を書く、もしくは詠唱する事で発動する。
アリスは数学大会優勝の実力を持ちながら、魔力が少なくPCを模した魔道具を使わないと発動できないため魔法使いになれずにいた。
けれど彼の考え出す魔法式は素晴らしく、魔法を日頃から使っている人達を相手に『魔法販売会社』を創設するとたった5年で国一番の大企業になるほど。
社長を立てずアリス(開発部長)・白ウサギ(総務部長 兼 生産管理)・チシャ猫(宣伝部長)の創設者3人の部長で経営する魔法販売会社で始まる新生活は、
ワクワクとじれったさでいっぱい。
けれど私はまだ知らなかった。
私にあった 『(感情が)シンクロした人間の魔力を増幅する』 特異体質。
想いが重なったとき、
魔力の少ないはずのアリスは、誰も逆らえない存在になる。
その力を恐れた女王たちが動き出したとき、
恋はただの恋ではいられなくなる。
好きだから守りたい。
けど、力を使い、知られるほど元の世界に帰るのが困難になっていく。
好きだからこそ、家族か恋人のどちらかを選ばなければならない。
これは、両想いから始まるのに、
すぐには結ばれない二人の物語。
この恋が、好きが重なるほど、世界が壊れていく。