このコラムでは、毎月さまざまな雑誌やサイトで始まる何十作もの新連載を読んでいる漫画ソムリエ・東西サキ(@tozai69)が、特に漫画家の皆さんに注目していただきたい作品をご紹介します。
今回ご紹介するのは、「サイコミ」で連載がスタートした『レッドマスク-The first MASKMEN-』(原案協力:若木民喜/シナリオ:Zoo/作画:坂本裕次郎)。
『レッドマスク-The first MASKMEN-』は、縦スクロールコミック(以下、縦スク)作品になります。
縦スクコミックの特徴は、縦長1枚の画像を読む”絵巻物形式”で、スマホの縦長画面にあわせた間の取り方・コマの大きさ……などがあります。
見開きコミックと比較し縦スクの利点は、スマホの縦長画面に合わせ、一方向への連続したスクロールでダイレクトにストーリーを追えるところにあり、欠点は1コマに入る情報量が制限される……といったところでしょうか。
紙媒体の漫画と縦スクはまるで異なる表現形式であるわけですが、今回ご紹介する「レッドマスク-The first MASKMEN-」は、この縦スクという媒体であることを最大限に生かしたユニークな作品となってます。
作画エフェクトがスゴイ!
まず作画が凝ってます!特に、カラーであることを生かしたアニメのような「炎」「水」「風」「光」「爆発」などのエフェクト表現がスゴイ!!
縦スクでアニメのようなエフェクト表現といえば、大ヒット作品『俺だけレベルアップな件』があります。でも読んだ当時、素人目に見ても作画コストが高そうで、日本で同じクオリティで仕上げるなら原稿料を爆上げしない限り無理じゃね?と思っていました。まさかこんなに早く国内から出てくるなんて驚きです!
読者がカメラを操作できる
画面をスワイプをすることでキャラが移動したり、登場シーンで徐々にキャラが見えてくるという縦長の画面を生かした画作りがされていて、カメラを操作するおもしろさを意図的に演出しています。これがまずユニーク!
「シェアード・ワールド」という概念
『アベンジャーズ』シリーズに代表される、複数の作品が一つの世界観を共有する壮大な演出手法を「シェアード・ワールド」と言います。
日本のマンガではまだ珍しいですが、この手法を採用し、設定やキャラの掘り下げをにチャレンジしているのがスゴイです!
本作を読んで、縦スクはまだまだ可能性を秘めているジャンルだと再認識させていただきました!!サイコミ編集部を取材したいなぁ。
☆『レッドマスク-The first MASKMEN-』の注目ポイント☆
・アニメのようなエフェクト表現
・読者がカメラを操作できる演出
・「シェアード・ワールド」
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