ＬＯＳＴ

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vol.19『話がしたいよ』

『LOST』は、どんなに不恰好でもいいから一度これを描いておかないと多分私の中身の整理がつかないんだわ、と思って描いています。ものすごく自分勝手に。100話まで、こつこつ描くつもりです。


話が逸れるのですが、以前樹崎さんにコメントをいただいて、改めて「ああ、私には描きたいものをきちんと描き切るだけの力が無いんだな」ととてもシンプルに思ったんです。
そのことは元々承知の上で、なんというかパンの耳とかパン粉とか、「パン本体ではないもの」を描いていたんです。（パンを描いていない事を自覚しながら）

パンをきちんと描き切る力のある人は一握りであろうし、私は別にそうでなくても構わないや。だって表現出来ずとも私は「パンは持っている」んだから。と。十二分に幸福なことです。

ただ、描き続けていたら「パンの気配」に気付いてくださる方というのが、ぽつぽつ現れるものなのですね。（読み手の方の能力に著しく依存していますが）


今は「遠回りに見えても、一度パンのことは忘れて料理全般のスキルを上げていけば、もしかしていずれパンは作れたりするのか…？」という期待のもとで料理を勉強している、そんな状態です。
それで描いたものが今のところ「高橋君、好きです」だったり「playlist」だったりします。漫画の練習ですね。（そもそも「漠然と河童な日常」がほぼ初めての漫画で、漫画の描き方がわからなくて「4コマの枠にねじ込んでおけばとりあえず4コマ漫画には見えるだろう」という浅はかな考えで描かれています）

「勉強をしてみよう」というきっかけをくださったのは樹崎さんです。
突然この場でお礼を申し上げます。
いずれ作品でお返しできたら美しいのでしょうが、何せ寿命もわからないし、パンを焼くのは難しい。気負い過ぎずにじりにじりと描きます。