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コミチ公式さんの作品:子育てをしているからこそ気づいた、「人間が育つ複雑さ」を描きたい【マンガQ第2号掲載漫画家インタビュー・丸山ミユ編】

子育てをしているからこそ気づいた、「人間が育つ複雑さ」を描きたい【マンガQ第2号掲載漫画家インタビュー・丸山ミユ編】

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いよいよ5月12日に共感系漫画雑誌『マンガQ』第2号が刊行されます。それを記念し、今回掲載されているSNS時代の新進気鋭の漫画家13名にインタビューを実施しました!


今回のインタビュー相手は、マンガ『居酒屋zoo』の作者・丸山ミユさんです。

2児の母でもある丸山さん。次に描いてみたいマンガは、「育児漫画っぽくない育児漫画」だと言います。


その裏にある、丸山さんが子育てを通して気づいた「人間が育つ複雑さ」とはなんなのか?



SNS時代において、世に熱狂を起こそうとしている漫画家たちの声をお聞きください!





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フレッシュさを忘れたくなくて、新入社員をテーマに選んだ


ーー本日はよろしくお願いいたします!『居酒屋zoo』読ませていただきました。


丸山さん:ありがとうございます!


ーー『居酒屋zoo』では、動物たちが仕事終わりの会社員のようにしゃべっていますよね。こういった世界観を思いついたきっかけはなんだったんでしょうか?


丸山さん:『#人生に目的なんていらない』というお題を考えていて、一晩寝て朝起きたら思いついていました。幼少期に実母が言った「ずっと檻の中で過ごして食べることだけを楽しみで生きてる動物を見るのが切ない」という話が頭の中にこびりついており、無意識で動物や動物園が出てきたのかもしれません。


ーー今回のお話では、会社員のようなことをしゃべる動物たちが動物園の新入社員について愚痴やときには温かい言葉を言い合っていますが、新入社員をテーマにしたのはなぜでしょうか?


丸山さん:『マンガQ』に掲載していただくのは初めてなので、読んで下さる方が設定に入りやすいように「はじめて」のイメージがある新入社員をメインキャラクターに据えました。あとは、紙の本なので自分の手元に残りますよね。新入社員をテーマにして、いつまでもフレッシュさを忘れないでいたいという思いがありました。


ーーなるほど。今回の『居酒屋zoo』の制作にあたって、楽しかったことはありますか?


丸山さん:掲載していただくことが決まったとき、「『居酒屋zoo』の世界を見てもらえる機会が増えた!」ととても嬉しく思いました。そのことを糧に、最後まで楽しく描ききれたと思います。



出産を経て知った「人間が育つ複雑さ」


ーーそもそも、丸山さんが漫画を描き始めたきっかけはなんだったんでしょうか?


丸山さん:初めは小学生のとき、少女漫画に憧れてキラキラな恋愛漫画を描きたい!と思って、描いたものを友達に見せていました。


ーーそうなんですね!今丸山さんが描かれている作風とは違いますね。


丸山さん:そうですね。友達に見せているうちに、キュンとしてもらえるよりも笑ってもらえる方が嬉しく感じるようになって、徐々にギャグ漫画を描くようになりました。


ーーその後、一度漫画を描くことからは遠ざかって、また漫画を描き始めるきっかけはなんだったんでしょうか?


丸山さん:出産を経験して子育てを始めて、「人間が育つ複雑さ」を身をもって知ったんです。その複雑さを漫画で表現したいと思って、また描き始めました。


ーー人間が育つ複雑さ…。子育てを経験した人でないと気づけないことかもしれないですね。ちなみに、丸山さんが実感した「複雑さ」には、どのようなものがありますか?


丸山さん:「人間が育つ」ということには、持って生まれた特性、養育者の特性や人数、養育者の育てられ方、集団生活で出会う先生や友達など、多くの要素が絡みついています。シンプルに「生まれつき!」だけではないし「親の育て方が!」だけではないということに、子育てを通して気がつきました。


ーーなるほど。丸山さんは今、子育てをしながら漫画も描かれているんですよね。


丸山さん:はい。週3日のパートもしつつ、2人の子供、夫、義両親の周りを走りながら漫画を描いています。


ーー子育てもお仕事もされているとなると、漫画を描こうと思ってもなかなか腰が重いのではないかと思うのですが、何かきっかけはあったのでしょうか?


丸山さん:スマホでスラスラ描ける格安のペンを見つけたんです。これなら、隙間時間で描ける!と思って、描き始めることができました。


ーーなるほど。少ない時間をやりくりするには、ツールも重要ですよね。描いた漫画をコルクBooksに漫画を投稿するきっかけはなんだったんしょうか?


丸山さん:Twitterでどなたかのツイートから知りました。どなたかは記憶にないんですが…(笑)そのとき企画で行われていた「思春期テンパーチャー」のラリーがとても魅力的で、続きを誰が描いても許される雰囲気に突き動かされて投稿しました。


ーー実際にコルクBooksに投稿してみて、どうでしたか?


丸山さん:アドバイスをいただけるのが本当にありがたいです。投稿したら反応があるというのが嬉しくて、より意欲的に投稿しようと思えます。自分の子どもを無視して子育て漫画は描けないと思っているので、連載の部分は完全にマイペースで、生活や体調を優先に無理なく投稿しています。



目指すは「育児漫画っぽくない育児漫画」


ーー仕事に子育てにお忙しいとは思いますが、これからも漫画を描き続けていきたいですか?


丸山さん:もちろんです!個人的に、漫画を描くと心身の調子が良くなるんです(笑)なので、これからも描き続けます。


ーー適度なアウトプットは健康にもいいんですね(笑)今後描いてみたい漫画は何かありますか?


丸山さん:「育児漫画っぽくない育児漫画」を描きたいと思っています。最近はSNSでも育児に関するエッセイ漫画がブームですが、子どもをメインに、「子どもの可愛さ」 を前面に出して描いているものが多いと思います。でも、今は少子化の時代でどんどん子どもの数が減ってますよね。そういった時代の中で、これからは子どもに慣れていない大人がますます増えていくと思うので、子どもではなく大人をメインに描いていきたいです。そして、子どもに触れ合う機会が少なくなった現代の大人の「育ち」への認知を広げていければと思います。


ーー確かに、大人をメインに描いた育児漫画ってあまり見ないですね。丸山さんの「育児漫画っぽくない育児漫画」を、どういった人に読んで欲しいですか?


丸山さん:頑固な人に読んで欲しいですね。

頑固って少しなら誰にでもあるもので、ときには長所にもなるので、そのままで良いとは思うんですが、「あなたのその頑固は継続しつつ、他のキャラの他の世界の頑固さもご覧になって、お互いの頑固を尊重できたらいいですね」という思いがあります。


あとは、あまり子どもが好きじゃない人。私も昔は子供が好きじゃありませんでした。その辺にいる騒々しい親子連れに冷たい目を向ける気持ちも分かります。

私が子供を好きじゃなかったのは、は子供や子育てについてほとんど何も知らなかったからです。

知らないがゆえに批判的な思いを向けてしまって、実は必死に生きてる親子を追いつめる原因の一つになっていたと思います。私の漫画を読むことで、子供や育児についての知見を少しでも広げられればと思います!


ーー最後に、丸山さんの漫画家としての今後の展望を教えていただけますか?


丸山さん:具体的な展望はまだ開けていませんが、子育てをしている中で、「東大に入れる子育て」より「将来裁かれてしまわない(困った大人にならない)子育て」の方が需要があるんじゃないかと思うことが多々あります。いつか、そういうエッセイも描いてみたいですね。


ーーありがとうございました!今後の作品も楽しみにしています!




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以上、『マンガQ 第2号』に掲載されているマンガ『居酒屋zoo』の作者・丸山ミユさんへのインタビューをお届けしました。



丸山さんの描く、「育児漫画っぽくない育児漫画」を拝見できる日が楽しみです!


丸山さんのコルクBooksアカウントはこちら。そしてTwitterアカウントはこちらです。


ぜひ、マンガQを手に取り、マンガ『居酒屋zoo』を読んでいただきたいです!そして、丸山さんのこれからのご活躍に注目ください!


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