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コミチ公式さんの作品:プロ漫画家への道は一つじゃない!働きながらだって、マンガは描けるんです【マンガQ掲載漫画家インタビュー・小柳かおり編】

プロ漫画家への道は一つじゃない!働きながらだって、マンガは描けるんです【マンガQ掲載漫画家インタビュー・小柳かおり編】

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いよいよ2月17日に創刊となる共感系漫画雑誌『マンガQ』。それを記念し、創刊号に掲載されているSNS時代の新進気鋭の漫画家6名にインタビューを実施しました!


今回のインタビュー相手は、マンガ『Ignition!』の作者・小柳かおりさんです。


「長期間連載を持ち、マンガで食べていけるプロ漫画家なんて、ほんの一握り。お金のことを考えると、とてもじゃないけど私は挑戦できない…」


学生時代に雑誌で漫画家デビューの経験を持ちながらも、大学卒業を機に企業に就職する道を選んだ小柳かおりさん。


そんな小柳さんは、現在、一度は諦めたプロ漫画家という夢に向かって再挑戦を始めました。平日は企業で働きながら、休日や平日の合間を縫ってマンガを描く、『複業漫画家』として!


複業(副業)という言葉が世の中に浸透し始め、一つの会社に縛られることなく、自分の持っているスキルや経験を活かし、様々な形で収入を得る働き方が広がっています。そして、その複業の選択肢にマンガが入る時代になったのです。


小柳さんが複業漫画家として歩み始めた理由とは何なのか?そして、複業漫画家として、目指す未来とは?


SNS時代において、世に熱狂を起こそうとしている漫画家たちの声をお聞きください!


・・・


働きながら、休日にマンガを描くリズムが作れた!


ーー 今日はよろしくお願いします!小柳さんは、お仕事をしながら漫画家をやっているんですよね?


小柳さん:そうです。平日は朝から晩まで監査法人で働いています。


ーー 以前にコルクBooksに、ご自身のキャリアについて漫画で投稿されてましたよね。



『はじめて働いたあの日から』(作・小柳かおり)


小柳さん:そうなんですよ。自分のキャリアについてさらけだしてみました(笑)


ーー 僕もIT業界経験者なので、読んでいて「あぁ、わかるわかる…!」とすごく共感したシーンばかりでした。「昨日は友は、今日の敵だったりする」という場面とか、何度も経験したことありますよ(笑)


小柳さん:ですよね(苦笑)


ーー 率直な質問なのですが、お勤め先はとても忙しい職場だと思うのですが、マンガはどうやって描かれているんですか?


小柳さん:平日は仕事で時間がないので、基本は土日にマンガを描いてますね。休みの日にマンガを描いて、コルクBooksに投稿するというのが、今の私の生活のリズムになっています。


ーー なるほど。そういうサイクルが出来上がっているわけですね。ちなみに、マンガQに掲載した「Ignition!」は32ページなので、いつものコルクBooksへの投稿と比べると多くの時間が必要だったと思うのですが、どうやって完成させたんですか?


小柳さん:昨年の10月から企画のプロットを作り始めて、マンガQ編集長の萬田さんに相談しながら、やっと年末に構成が固まった感じです。そして、お正月休みが10日くらいあったので、作画はそこで集中的にやりました。


ーー すごい…。ほぼ休みなしじゃないですか!



気軽に描いたマンガに、気軽に感想をもらえるなんて…!


ーー 小柳さんは、学生の頃にマンガを雑誌に掲載したりとマンガ家として活躍されていましたよね。なぜ、漫画家を辞めて、企業に就職しようと思ったのでしょうか?


小柳さん:私は奨学金をもらいながら大学に通っていたので、そのお金を返さないといけないことを考えると、収入の保証がない漫画家という道は難しいと思ったんです。連載を継続して持てて、マンガでお金を稼ぎ続けるプロの漫画家というのは、ほんの一握りなので。


ーー なるほど。企業に就職してからは、マンガを描くこと自体も完全にやめたんでしょうか?


小柳さん:いえ。やっぱり漫画家としての夢も諦めきれなかったので、絵とかプロットは描いていたこともあるんです。でも、商業誌で描くとなると、仕事をしながらだと難しくて…。そんなこともあって、ここ数年はマンガを描くことからしばらく離れていました。


ーー そんななか、改めて小柳さんがマンガを描き出すきっかけになったことはなんなんですか?


小柳さん:佐渡島さんが主宰するコルクラボに入ったことがきっかけでした。私は昨年の3月にコルクラボに入ったんですが、そこで漫画家のこしのりょう先生や、つのだふむさんと出会ったんですよ。そこで、コルクBooksが新しく始まるから、一緒に盛り上げていこうという話になって、マンガを投稿し始めたんですよね。


ーー コルクラボがきっかけだったんですね!


小柳さん:また、コルクラボに入った時にTwitterを始めました。それで初めてTwitterマンガの存在を知ったんです。そして、コルクBooksもそうなんですけど、「マンガって、こんな気軽に投稿していいんだぁ」と思いました。


ーー マンガに対する意識の変化が起こったということでしょうか?


小柳さん:そうなんです!それまで、マンガは完成されたものでないと発表してはいけないと思っていたんです。何度も編集者さんから直しをもらって、ようやく完成した作品が世に出るという感じだったので。こういう気軽なものであれば、私もやっていけそうと思ったんです。



お題ベースでマンガを描き続けると、自分の”本当の好き”がわかる。


ーー コルクラボがあったから今があるんですね。コルクBooksやTwitterに自分のマンガを載せ始めてみて、もうすぐ一年かと思いますが、この一年間での自分の変化をどう感じていますか?


小柳さん:色々あるんですが、まずは人との交流が増えたのが単純に嬉しい(笑)


ーー 人との交流ってどういう意味ですか!?


小柳さん:コルクBooksは漫画家同士で切磋琢磨をするというコンセプトがあるから、オフラインでもオンラインでも繋がりがあって、いろんな漫画家さんに会うことができるんですよね。この繋がりはマンガを描く上で本当にありがたいです。


ーー 確かに、励ましあえる仲間がいることは、継続する上で大切ですよね。


小柳さん:あとは、マンガを描くことにハマりましたね!


ーー おぉ、素晴らしい!


小柳さん:コルクBooksを始めた頃は、マンガを辞めて10年以上経っていたので、自分には描きたいものや描けるものは、正直もうないんじゃないかと思っていたんです。でも、コルクBooksって色々とお題を出してくれるんですよ。


ーー 毎週、様々なお題が出されますよね。連動企画として、企業からのお題もありますし。


小柳さん:そうなんです。そのお題に対しては、自分の経験をもとにマンガを描いていたら、「これも描きたい、あれも描きたい」と描きたいテーマが自分の中からどんどん出てきました!まさにマンガを描くことにハマったって感じで、マンガに対して積極的になってきたんです。


ーー なるほど。お題に答える中で、自分の描きたいものに出会って行ったんですね。


小柳さん:そうなんです。あとは、やっぱり自分が描いたものにコメントをもらえるのが本当にありがたくて、それもマンガにハマった要因として大きいですね。



仲間の大切さを描いた『Ignition!』


ーー 今回、マンガQに32ページのマンガ『Ignition!』を掲載してもらってますが、描いてみて、いかがでしたか?


小柳さん:まずは、昨年の今頃は、マンガ雑誌に自分のマンガが掲載されるなんて夢にも思っていなかったので、ビックリしています(笑)


ーー 『Ignition!』では、IT企業で表向きは成功への道を順調に歩んでいるように見えながらも、内心は苦しい想いを抱えている女性が主人公として描かれています。この物語はご自身の経験からきているところが大きいんでしょうか?


小柳さん:そうですね。主人公の女性はが32歳くらいの設定なんですけど、課長に昇格する一歩手前なんですよ。で、私自身も今アシスタントマネージャーで課長の手前なんですね。等身大の自分を描いたって感じです。


ーー 物語では主人公が仲間の存在で救われるのですが、仲間の存在や、一人で抱え込まずにチームで助け合うというのが、大きなテーマですかね?


小柳さん:はい。仲間の大切さを描きたかったんですよ。IT業界って、人が倒れることが結構ありますよね。私自身も体調を崩して休職した経験もあって、回復するのに数年かかったんです。その間、負担にならないようにと、仕事内容を調整してもらったり、定時で帰らせてもらったりと、周りの人にすごく支えてもらっていたんですね。今でもすごく感謝をしています。


ーー テーマは企画の最初の段階で、明確に決まっていたんですか?


小柳さん:いや最初は、勝ち負けにこだわっている主人公が、「仕事って勝ち負けじゃないよね」と気づいて、自分なりの新しい働き方や幸せを探すという話が最初だったんです。でも、物語が終わった段階で「新しい道を探し始める主人公の状態は、果たして幸せなのか?」と思い、悩み始めたんですよね。


ーー なるほど。


小柳さん:そんな時に、こしのりょう先生から「主人公は負けたくないと言っているけど、何に負けたくないの?ライバルなの、世間なの、組織なの、それとも自分なの?そこをもっと考えてみたら?」って言われて、そこから今のテーマが見つかったんです。


ーー そうなんですね!コルクBooksは漫画家同士が、本当に切磋琢磨している…!


小柳さん:本当に、こしの先生のおかげです(笑)


ーー 小柳さんの中で、今回の『ignition!』で一番手応えがあった部分はどこですか?


小柳さん:主人公が倒れた時に、自分の過去を思い出すんですけど、そのきっかけを与えてくれるのが正太という登場人物なんです。周りの期待に応えようと背負いがちな主人公と比べて、これまで正太は自分の好きなことしかやらないという真逆の性格なんです。でも、正太がチームのためにも、主人公のためにも、変わろうとしていて、「俺たちは仲間だから」と主人公に告げるシーンがあるんですよ。そこが一番好きなページですし、一番伝えたいポイントです。



同世代の働く人たちに共感されるマンガを届けたい!


ーー 最後に、漫画家として今後の展望を聞かせてください。


小柳さん:まずは、読者の方が「読んでよかったなぁ」と思ってもらえるマンガを描いていきたいです。コルクBooksのおかげでマンガを描くリズムができ上がって、マンガを描けば描くほど、どんどん自分の中で課題がでてくるんですよね。「次はこうしたい!」「絵をもっと上手くなりたい!」「自分のキャラクターがほしい!とか。それを一個一個クリアしながら成長していきたいと思っています。


ーー 小柳さんの「企業で働きながらマンガを描く」というスタイル自体がすごくユニークで、小柳さんのマンガには企業で働く人にとって、すごくリアリティを感じることができると思うんですよね。


小柳さん:そう言ってもらえると嬉しいです。私の中でも、特に企業で働く同世代の人たちに読んでもらえたら嬉しいです。仕事だったり、恋愛だったり、様々な経験をしてきたからこそ共感できるマンガを描いていきたいです。


ーー これからも、やはり複業という形で、漫画家をやっていきますか?


小柳さん:今のところはそうですね。家のローンもあるし(笑)。ただ、コルクBooksのおかげで、複業という形で漫画家として再出発できたし、もっと腕を磨いていきたいと思っています。その先に、漫画家を専業にするという選択肢があれば、その時は考えてみたいと思います。


ーー ありがとうございました!これからの作品も期待しています!


・・・


以上、『マンガQ』に掲載されているマンガ『Ignition!』の作者・小柳かおりさんへのインタビューをお届けしました。


兼業漫画家という新しいスタイルの漫画家として活躍する小柳さん。企業での様々な経験をもとに、働いている人にとって共感できるマンガを、これからも届けてくれるのでないでしょうか!?


小柳さんのコルクBooksアカウントはこちら。そして、Twitterアカウントはこちらです。


是非、マンガQを手に取り、マンガ『Ignition!』を読んでいただきたい!そして、小柳かおりさんの、これからの活躍に注目ください!



聞き手&執筆・井手桂司


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1件の編集コメント
2/1
かおりちゃんはたくましい!

2/1

ありがとう!!
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