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どの作品も、一人一人の感性と視点が優しく繊細に投影されていて

とても読み応えがありました!

めちゃくちゃ忙しいだろうに、毎日創作に向き合われる漫画家の皆様に刺激を頂きました!

沢山の面白さと素敵な時間と余韻をくださったこと、漫画家の皆様に一読者としても感謝申し上げます。


一コマ一コマに込められた情報量と努力を考えると、

一作品に絞って感想を書くのもめちゃくちゃ難しいです。

が、素敵な作品群の中で敢えて一つだけ、初読で、特に心を動かされたものを挙げるとすると

中村環さんの「私が感銘を受けた本とそのポイント」になります。


https://comici.jp/articles/o/70420/


面白さを言語化してみます。

まず構成が素敵です。

「感銘を受けた本」という創作的な味付けがしづらいテーマの中で

短く喜怒哀楽を動かされます。

その本がどう作者を揺り動かしたのか、という部分を、

言葉だけでなく、

大波に飲まれて椅子から放り出される」

「人の取っ組み合いを横目で見る」

「最終的に、脳がわけわからんくらい繋がって拡張していく」 

という「絵的な面白さ」に昇華してくださったのが印象に残ります。

またそういった多彩な表現にもかかわらず、

初読でスッと頭の中に入ってくるわかりやすいコマの作り方や強弱が

素敵だと思いました。


印象に残った理由をさらに分析すると、「変化の大きさ・確かさ」がすごいです。

「物語の面白さ」とは、結局読み手の「心が動く」総量。

心を動かすためにじゃあ何が必要なのかというと、作中でのなんらかの「変化」だと思います。

「変化」があると心が動きやすい、即ち面白いと思いやすい、という人間の本能ですね。

どんなに保守的な自覚がある人でも、人間は基本的には変化をしたがる生き物。

物語を通して変化の擬似体験をしたい。それが物語やエンタメに求める刺激(という説)。


つまり「感銘を受けた本」というテーマを通して、「変化」を感じ、自分もその擬似体験をしたい!

という期待値の前提で読むと、

最初と最後のコマ、主人公は、日常(新聞配達のバイト・明るい窓辺で幸福そうに座っている)。

でも中盤はめちゃくちゃ疾風怒濤展開。なんだか怖い、全然違う世界に行きます。

という変化に加え。

序盤、アルバイトをしていた主人公が、

ラスト、「私もこんな物語を描いてみたい」と静かにしかしハッキリ考える。

創作者としての一歩を踏み始められるような変化。未来に対する期待。

素敵な創作物には素敵な創作者を生み出す力がある。

最終コマから、そんな素敵な余韻を感じました。

こうした「変化」の大きさや確かさが、作品の面白さに繋がっているのではないかと考えました。


前回、面白さのポイントは、共感・驚き・解放の3つと教わりました。

この作品が、読み手にとっては、

序盤共感(働く日常)→中盤驚き(怒涛のコンテンツの大波)→ラスト解放という感情の流れがあるように感じました。

※解放の言語化ができていないので、勉強したらまた見え方が違ってくるかもしれません。


と言う感じで書いているうちにめちゃくちゃ長くなってしまいました。

中村さんのもう一つの課題作にあるイチョウの思い出の漫画もめちゃくちゃ素敵でした。

最後に、投稿作品全て拝見しましたが、どの漫画も素敵で読み応えがあり、大変幸福な時間でした。

素敵な漫画の世界を生み出してくださり、本当にありがとうございました。

面白かったら応援!

2021/10/20 #10/7課題