音読の天才・・・。
私は真っ先にドイツのシュリーマンを思いだします。シュリーマンは当時まだ伝説だったトロヤ遺跡を発掘した有名な人物ですが(世界史で習います)、実は知る人ぞ知る語学の天才。強烈ともいえる音読法でなんと18か国語をマスターしたといいます。
実はこのマンガで、思いっきりこじつけで江戸時代末期のシュリーマンを登場させ、その強烈な音読法を披露するネタを試みようアイディアをひねっていたのですが結局うまくいかずボツになりました。
シュリーマンの音読学習法を、彼の自伝『古代への情熱』から要点を抜粋してみると…
●非常に多く音読する(いつでもどこでも小声でも音読する)
●翻訳しない
●毎日1時間やる
●興味のあることを作文し、先生に添削してもらい、それを暗唱する
興味深いのは、これで語学をマスターできますよ、という話ではなく、「もともと弱かった記憶力が強くなった」、つまり、語学を短時間でマスターできる『能力が養われた』という主旨を述べていることです。
しかしこの話、目を皿にしてよ~く読むと、ポイントは全然ここではありませんでした。
勉強の極意がここに・・・
そうです、生物の行動をかきたてる基本原理は「マイナス(苦痛)から離れる・逃げる」と「プラス(快楽)を得る」の2つ。
勉強や仕事みたいな苦痛からできるだけ逃げて、おいしいもの食べる(=快楽)、みたいな。
シュリーマンの強烈な勉強のモチベは「極貧から脱出」と「ガールフレンドと結婚したい」のダブルでした。 こりゃすごい!
つまり意識は「勉強すること」にあるのではなく「貧困から脱出」し「彼女と結婚」するところに置かれているのです。
最終目的に意識を置くと途中の手法は逆算で出てきます。
私たちが秀才の勉強法を真似てもうまくいかないことが多いのは、「手法」の部分に意識を置いているからなんだなと気づかされます。
その人が目的を達成するイメージがまず先にあり、そこから算出した手法はその人にぴったりでも、目的が異なる別の人に通用する手法とは限らないということですね。
私はふだん塾をやっているので、なるほどー!と色んな謎が解けました。
このシュリーマンという人、きっとハチャメチャな人で、自著の中でサラっと書いているのですが、『音読の声がデカすぎて隣の人に怒られて2回も引っ越しをした』と。。
いや、面白いけど、その状況って… どんだけ大きな声?
で、一回怒られて引っ越しするほどモメたのに、懲りずに二回目?
…もうこれ、絶対マンガみたいな人やん!
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