この時代 「漢詩作れます~!」→「こやつ、できる!」 が共通認識でした。漢詩の作詩能力は政治能力の目安にされていました。
今に例えるとTOEIC900点!とか英検1級!が「仕事できます」の目安のように扱われるのとちょっと似ています。
しかし、その中味は全然違います。
どう違うかというと、
英検やTOEICは語学の能力を測るものであって、いわゆるIQのような知能の高さや、EQ(自分や相手の感情を利用する能力)とは必ずしもリンクしません。
しかし漢詩の作詩能力は、IQやEQに加え、教養をプラスし、どれが欠けてもできないと思われます。
例えば、学校で必ず習う五言絶句(ごごんぜっく)。
漢詩の代表型で、4句(4行)にそれぞれ5つの漢字が入る、下のようなテンプレがあります。ここに、テーマに沿った漢字を配列していくのですが、その際に■の部分は韻を踏まないといけません。
□□□□□
□□□□■
□□□□□
□□□□■
さらに、音読の時に漢字1字ごとに上がったり下がったり平らにしたり詰まったりと、4種類の調子で音を整えます(平仄:ひょうそく)。
この音の抑揚を1句目と2句目で逆にしたりするのです(すごテク!!) 。
上げ下げを●○で表すと、こんなイメージ。
〇〇●●〇
●●〇〇■
これが七言律詩とかになってくると8句(8行)でそれぞれが7文字です。もっと長いのもあります。
すごくないですか?
ましてや、道真さんやでんチャン(島田忠臣)が得意としていた即興での作詩となると、これはもう、超人技です。
「漢詩=文系」のイメージが強いですが、七言律詩のような詩を、テーマに沿って即興で作詩する能力は、まさに理系のそれにも近いように思えます。
頭の中で韻や平仄を漢字パズルしながら、その場の状況に即した感情や、古典の引用をも入れ、最終句できっちりオチをつける…
ちなみに学校で必ず習う漢詩の代表型・五言絶句の「絶句」は4句(4行)。
それぞれは起句・承句・転句・結句と呼ばれます。
4コマ漫画の起承転結は実はこの絶句から由来しています。
つまり・・・4コマ漫画が上手い人は、知能が高い・・・!?
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