4コマ漫画が出来るまで

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なかよし×コミチショート漫画大賞の応募作を考える　その３　選考と一本目の振り返り

前回は「絶対オレのこと嫌いだろ」って思う彼女の行動を洗い出しました。

今回は洗い出した行動の中から、4コマ漫画になりそうな行動を選ぶところを振り返ってみましょう。

「オレのこと嫌いだろ」と思わせる行動と言っても、あまりにも冷たすぎるとギャグとして成立しない気がしました。

なので、何かしら言い訳というか、理由を説明できる行動に絞ります。

それと応募要項が4ページ以上となってましたので、とりあえず厳選した4本を描いてみて、余力があれば1本ずつ増やしていこうと考えました。

まずは始まりとして、告白のネタは使えそうです。

告白されたからOKしたのに、物凄い引かれたってヤツです。

彼女の言い分としては、「まさかOKしてくれるとは思ってなかったから驚いた」って感じで良さそうです。

あとは店員に「彼氏ですか？」と聞かれて全否定するのも、「恥ずかしかったから」という理由が付けやすいですね。

ただ、このネタはよくツンデレ系でも使われてそうなネタなので、いかに本気で否定できるかというところがポイントになりそうです。

お弁当も健康を理由にすれば、いろいろと可能性がありそうだと思いました。

薄味のし過ぎで味が無かったり、おいしさを求めすぎて味が濃すぎたりとかは、すぐに考えられます。

でもどっちも食べられるっちゃ食べられるわけですから、ちょっと優しさが勝ち過ぎてるかなと。

なんとなく結局なにも食べられないで、おなかを鳴らしながら授業を受けてる絵を4コマ目にしたいなと思いました。

そうすっと、手作り弁当と言った時に、手作りで作った弁当箱ってことにもできそうだなと思いつきました。

「明日、お弁当作ってくるね」なんて言われた日にゃ、彼氏は浮足立って朝ご飯を抜いて来ることだって考えられます。

そして出てきたのが空っぽのお弁当箱。

良いと思います。

それとジャージとかもシンプルで使いやすそうだなと思いました。

貸したものがひどい状態で戻って来たら、そりゃ「嫌われてる」って思うでしょうと。

最初は汚されて戻ってくるつもりでしたが、あんまり良い言い訳が思いつきませんで、単純に嫌がらせになっちゃいそうでした。

「体育館が汚れてたから拭くのに使った」だと、「雑巾があるじゃろがい」って言われちゃいます。

だもんで、借りたものをきれいな状態にして返すという「嫌われてる」とは逆なことをやるんだけど、結果的に相手としたら嫌だなと思うことをしようと考えまして、水洗いしてビショビショの状態で返すことにしました。

これなら一見やさしい心遣いが垣間見えて、本気で嫌いかどうかわかりづらくなります。

このような理由で4コマにする4本を選びました。

次点としては、お揃いのモノを買ったけど揃うことがないってのも捨てがたいですね。

彼氏の方は毎日身に身に着けてるのに、彼女は一向につけてくる気配なし。

最終的に「そんなに好きなら私もおんなじの持ってるからあげるね」なんて言われるかもしれません。

あと地味に良いのが、出される飲み物がいつもぬるい。

夏でも冬でもなんかぬるい。

これも一応「常温の飲み物が一番体にいいって聞いたから」っていう言い訳が出来ますね。

それと、いつの間にかデート中に帰っちゃうってのも、ネームは描こうと試みました。

映画が終わってそれぞれトイレに行って、彼氏がまだかな～って待ってたら、見つからなかったから帰ったっていう連絡が来るって感じの流れです。

ただ言い訳が苦しすぎるので、今回は却下することにしました。

ネタの順番としては、時系列で考えたら告白が一番最初にくるべきなんですが、あえて最後に持っていこうと思いました。

なんかそっちの方が、全体的にしっくり感が増すような気がしたからです。

なんでこんなことをするんだろう？という疑問に対して、告白の時にそんなリアクションしてたんじゃあ仕方ないかって思うかなと。

あとのは学校ネタを最初に持って行って、3本目は学校外の出来事にしました。

私の絵柄の特性上、私服だと年齢不詳になるので、流れ的に高校卒業後のエピソードだと思ってくれるかもしれないなという思惑もあります。

それでは、ネームとか下書きとかも残ってないので、いきなり完成形を見て、考えてたことだったり修正点だったりを見ていきましょう。

1本目はコチラ。

流れに着目してみてみると、2コマ目があまり意味のないコマですね。

別になくてもネタとしては通じるかなと。

でも、一本目ということもあって、彼氏と彼女なんですという説明という点で見れば、必要なコマではありますね。

2コマ目を省略したとしても、4コマ目は変えられないような気もしますし、そう考えると流れとしてはこれが妥当だと思います。

2コマ目のジャージはもっとぶかぶかにした方が良かった気がします。

セリフに甘えちゃった形です。

今回コマのサイズをワイドにしたので、いつもより余白が出来た分、手書きのセリフを多めに入れました。

その結果、絵じゃなくてセリフで説明しちゃえばいいという意識が強かった気がします。

でもまあ、体格差が無い二人なんで、このぐらいでちょうどよかったのかもしれませんけど。

3コマ目の注目ポイントは彼女の手です。

赤くなってますよね。

このあと自分が着るのにビショビショになって返されたら、文句の一つも言いたいはずです。

でも、この彼氏くんは「えっ！！洗……」で終わってます。

あまりの驚きに声が出なかったと見てもいいのですが、もう一つの見方として、彼女の赤くなった手を見て、寒いなか冷たい水で洗ってくれたということが分かり、何も言えなくなってしまった、と考えることも出来ます。

こういういろんな見方が出来る4コマをもっと作っていきたいですね。

まあ、今回はこんな感じですかね。

次回は残りの3本を振り返って行こうと思います。

それではまた。