PCIeスイッチチップ市場:AIデータセンター・高速ストレージ向け2026~2032年展望
NEWPCIeスイッチチップ市場の概要
PCIeスイッチチップは、CPU、GPU、AIアクセラレータ、NVMe SSDなど複数のデバイスを高速接続するデータセンター向け半導体です。AI・クラウド・HPCの処理負荷が拡大する中、帯域幅、低レイテンシ、接続密度を同時に高める相互接続技術として重要性が増しています。QYResearchによると、世界のPCIeスイッチチップ市場は2024年に10.4億米ドル、2031年には25.15億米ドルに達し、2025~2031年のCAGRは13.49%と予測されています。
AIインフラが牽引する高速化
市場拡大の背景には、AI学習、クラウドコンピューティング、ビッグデータ処理によるデータ移動量の増加があります。GPU、FPGA、ASICなどのアクセラレータを複数搭載するサーバーでは、CPUと演算装置、ストレージ間の帯域不足がシステム性能を制約するため、PCIeスイッチによるファンアウト構成が重要になります。
2026年にはPCIe Gen 6の実装がさらに具体化しています。PCI-SIGによれば、PCIe 6.0は64 GT/sのデータレートに対応し、x16構成では最大256GB/sの帯域を実現します。 Broadcomも2026年、144レーンのPCIe Gen 6スイッチなどをPCI-SIGのインテグレーターリストに登録しており、AIサーバー向け高密度接続の製品化が進んでいます。
Gen 6と高速ストレージが形成する新需要
製品世代ではPCIe 3.0から4.0、5.0への移行に続き、Gen 6が次の成長領域となっています。PCIe 6.0ではPAM4信号、FEC、CRCなどが採用され、高速化に伴う信号品質とデータ信頼性の課題への対応が必要です。特に64 GT/s環境では、基板配線、コネクタ、ケーブル、Retimer、電源設計を含むシステムレベルの最適化が重要になります。
2026年8月にはMicrochipがMicronと共同で、Switchtec PCIe Gen 6スイッチとPCIe Gen 6 NVMe SSDを組み合わせたAI・HPC・クラウド向けストレージアーキテクチャを実証しました。Gen 6スイッチを介して複数SSDを接続する構成は、ストレージ資源の分離・共有や高帯域データ処理を支える代表的なユースケースです。
競争構造と技術的参入障壁
QYResearchの調査では、主要企業としてBroadcom、Microchip Technology、Texas Instruments、ASMedia、Diodesなどが挙げられ、2024年には上位5社で約96.65%の市場シェアを占めています。Broadcomはデータセンター向けPCIeスイッチ、Retimer、SerDes、管理ソフトウェアを組み合わせた製品体系を構築しており、高密度AIシステムへの対応を進めています。
一方、Microchipは2026年に3nmプロセスのPCIe Gen 6スイッチを展開し、最大160レーン、20ポートに対応する製品群を提供しています。 さらに同年6月にはPCIe 6.0およびCXL 3.1対応Retimerを発表し、AIデータセンターで顕在化する信号到達距離とレイテンシの問題への対応を進めています。
中国市場とサプライチェーン
地域別では中国市場の存在感が大きく、QYResearchによると2024年の市場規模は4.46億米ドル、世界市場の42.93%を占めています。2031年には11.48億米ドル、世界シェア45.64%まで拡大すると予測されています。データセンター、クラウド、AI計算基盤への投資拡大が需要を支える一方、高速・高チャネル製品では海外サプライヤーへの依存が残されています。
今後のPCIeスイッチチップ市場では、「高速化・多レーン化・低消費電力化」に加え、CXLとの連携、Retimerとの協調設計、セキュリティ、テレメトリ、熱設計が競争軸になります。特にAIサーバーでは、単体チップ性能だけでなく、CPU・GPU・XPU・NIC・SSDを一つの高速ファブリックとして接続できるシステム統合力が製品価値を左右します。
本レポートの主要ポイント
「PCIeスイッチチップ―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」では、市場規模、主要企業、製品世代、用途、地域別需要、競争環境、サプライチェーンを体系的に分析しています。
【目次】
第1章:市場概要と成長展望
第2章:主要企業の競争分析
第3章:製品タイプ別市場動向
第4章:用途別市場動向
第5章:地域別市場分析
第6章:国別市場動向
第7章:主要企業の詳細プロファイル
第8章:バリューチェーンと市場構造分析
第9章:市場洞察と今後の展望
第10章:調査手法とデータソース
QYResearchについて
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