WBGパワー半導体デバイス市場:EV・AIデータセンター向け2026~2032年展望
NEWWBGパワー半導体デバイスの定義と市場規模
ワイドバンドギャップ(WBG)パワー半導体デバイスは、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を材料とする高効率パワーエレクトロニクス部品です。シリコン(Si)と比較して高耐圧、高速スイッチング、低損失、高温動作に優れ、EVインバーター、急速充電器、再生可能エネルギー、産業用モーター、データセンター電源などで採用が拡大しています。QYResearchの調査では、世界のWBGパワー半導体デバイス市場はCAGR21.0%で成長し、2031年には210.6億米ドルに達すると予測されています。
SiCとGaNが形成する用途別市場
WBG市場は、主に高電圧・大電力用途のSiCと、高周波・高電力密度用途のGaNに分化しています。SiC MOSFETやSiCショットキーダイオードはEVトラクションインバーター、太陽光発電、蓄電システムなどで存在感を高めています。一方、GaN HEMTやGaNパワートランジスタは、サーバー電源、通信機器、ACアダプターなど小型・高周波電源で優位性を発揮します。STMicroelectronicsもGaNについて、高い電子移動度による低オン抵抗と高速スイッチングを主要な技術特性として位置付けています。
AIデータセンターが新たな需要源に
2026年のWBG市場では、EVだけでなくAIデータセンターが重要な成長領域になっています。AIサーバーの電力密度上昇に伴い、電力変換損失と冷却負荷の削減が重要となり、SiCとGaNを組み合わせた高効率電源アーキテクチャへの関心が高まっています。Infineonは2026年、次世代800VDC AIデータセンターでSiCを高電圧変換、GaNを高周波・高密度電力段に活用する方向性を示しています。
SEMIも2026年4月、電動化、再生可能エネルギー、電力効率化を背景に、SiC・GaNを含むパワー・化合物半導体工場への投資が続くと分析しています。
製造技術とコストが競争軸
WBGデバイスの普及には、材料コスト、ウェハー品質、歩留まり、信頼性、パッケージングが重要です。特にSiCでは200mmウェハーへの移行、GaNでは大口径化が量産コストを左右します。2026年にはROHMが650V GaNの200mm製造を進めており、AIインフラやEV向け高効率電源への供給体制強化を図っています。
主要メーカーと市場展望
QYResearchによると、主要メーカーにはonsemi、STMicroelectronics、Infineon Technologies、Wolfspeed、BYD Semiconductor、Bosch、United Nova Technology、Innoscience、Navitas、Guangdong AccoPower Semiconductorなどが含まれます。2024年には世界トップ10社が売上ベースで約84.0%の市場シェアを占めました。
2026~2032年は、EV、再生可能エネルギー、産業オートメーションに加え、AIデータセンターの高電圧・高密度電源がWBG需要を押し上げる構造が想定されます。今後の競争力は、SiC・GaNの材料性能だけでなく、ウェハー大口径化、低欠陥化、パッケージ技術、ドライバーICとの統合、システムレベルでの効率最適化によって決まります。
レポートの主要ポイント
「ワイドバンドギャップパワー(WBG)半導体デバイス―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」では、市場規模、売上高、製品タイプ、用途、地域、主要企業、競争環境、サプライチェーンを体系的に分析しています。
【目次】
第1章:市場概要、規模、売上、価格、成長要因、機会、課題、リスク
第2章:主要企業の売上、市場シェア、製品、製造拠点、競争戦略
第3章:SiC・GaNなど製品タイプ別市場分析
第4章:EV、充電設備、再生可能エネルギー、産業、データセンターなど用途別分析
第5章:北米、欧州、アジア太平洋など地域別市場分析
第6章:主要国別の需要、競争環境、成長要因
第7章:主要企業の事業概要、製品、研究開発、最新動向
第8章:材料、ウェハー、デバイス製造、パッケージング、流通までのサプライチェーン分析
第9章:市場洞察と今後の展望
第10章:調査方法・データソース
QYResearchについて
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