子の背中が見える風景|水谷アス|note私は、母親7年目だ。 娘のハナはヒドイ癇癪持ちで 特に勝負事となれば 負ける事を受け入れられなかった。 たかがカルタ、 たかがかけっこ。 負ければ狂ったように泣いて 暴れて手が付けられなくなった。 だから私はいつも、 何か勝負をするとき わざと負けたとわからないよう、 ほんの少しずつ手を抜いて 彼女と戦った。 「お母さんの負けだよ、 ハナは強いねぇ」 勝つと、ハナは得意げに笑った。 「お母さんは何をやっても弱いなぁ」 負けを極端に拒む彼女にとって 私はそれが彼女の為だと思っていたし 手を抜くことが悪いこととは 思っていなかった。 ハナが小学校に入り 少しずつ彼女と勝負note(ノート)