為せば成る、為さねば成らぬ何事も、ツイッターしてしまう方へ。

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ラリー元
気分転換
シャープさんさんの作品:為せば成る、為さねば成らぬ何事も、ツイッターしてしまう方へ。

仕事がツイッターという奇特な会社員 @SHARP_JP です。ツイートするのが仕事ですから、朝っぱらから、真っ昼間から、私は会社のデスクでツイートする。そうやってツイッターしていると、いま私のツイートをRTしたり、リプをくださる人は、いったいなにをしながらツイッターしているのだろうと、ふと気になる。ツイッターの向こう側にいる人の、ひとりひとりの今を想像してしまうのだ。


「なにかをしながら」というのが、ほかのSNSやネットと比べて、ツイッターの際立った特性だと思う。家事をしながらツイッター。電車に乗りながらツイッター。テレビを見ながらツイッター。お風呂やトイレでツイッター。中には、眠りながらツイッターという人だっているかもしれない。LINEしながらツイッター。ツイッターしながらツイッターという複数アカウントの使い手もいるだろう。


とにかくツイッターは、あらゆる生活の行為とパラレルに行われる。そしてパラレルに行われるといえば、やはり「仕事しながらツイッター」があげられるだろう。つまり私のことだが。


それが幸か不幸かは別にして、一日の大部分の時間を仕事が占める人は多い。だから「仕事中にスマホあるいはパソコンでツイッター」は、日本のツイッターユーザーの標準的な姿ではないか。とりわけ私は、ツイッター自体も仕事なわけで、打ち合わせ中もツイートする。会議中もする。無味乾燥な業務メールの返信中もする。なんなら始末書を書きながらだってツイートする。


つまりいつだって私はツイートする。あることないことぶつぶつ呟き、買いました報告や使い方の問い合わせ、あるいは買い物相談から世間話まで、次々に寄せられるリプライに返事をするのだ。


だから私は、仕事中の各行為に100%の意識を注ぐということができない。打ち合わせ中の私の「はい」は生返事だし、会議での偉い人の発言も話半分しか聞かない。もちろん失礼は承知の上だ。とはいえ私も臨機応変なツイートが信条でもあるので、やめるわけにもいかない。ここだけの話、会議を話半分で聞き続けても、私の会社生活に支障があったことなど一度もない。むしろ話半分で済む会議の存在意義の方が問題ではないかと、いささか不遜なことすら思ったりもする。


とにかく仕事中の私はいつだって、意識がとっ散らかっているのだ。マルチタスクなんていうとかっこいいけど、実際の私は仕事の山とツイッターの間をちょこちょこ行ったり来たり、集中とは程遠い、あわあわした時間を過ごしている。そして仕事の時間は細切れになり、振り返るとなんの時間だったかよくわからない毎日が繰り返されるのだ。



気分転換(まひる 著)



何かの行為と並行してやってしまうツイッターは、注意を散漫させ、時間を細切れにしてしまう。その細切れにされた時間は、集中とは真逆のものだ。この作品のように、やらねばならぬタスクをひとつずつこなすには、ツイッターは弊害だろう。後輩くんのデスクの上で、書類とメールの間にツイッターバードが何匹も描かれるのが、その細切れの時間をよく表している。


だれだってわかっているのだけど、細切れの時間を回避し、集中した時間を取り戻すには、ツイッターを閉じるしかない。そんなことはわかっている。だがそれが難しいのだ。だからこのマンガでは先輩から後輩へ、いったん五感だけに意識を向けることで、頭とタスクをリセットする方法が指南される。「ごちゃっとしてきたら感覚的な体験で上書きする」「リセットしたら今やることだけを机の上に置く」というのは、言われてみればなるほどな、と思うやり方だ。


でもね。逃避こそ、甘美な魅力があるのもまた事実。やらなきゃいけないことをやらなきゃいけない時こそ、その周縁が妖しく光るのだ。私たちはついそちらへ引き寄せられる。そこで遊ぶうちに、ほんとうにのっぴきならない所まで追い込まれ、結果的に尋常じゃない集中をもたらすこともある。あるいはその逃避こそが、本命の停滞を打開するアイデアになることだってある。一概に逃避と言えないところが、また逃避に拍車をかけるのだ。


そしてあなたも私も、閉じかけたツイッターを開く。リフレッシュとは程遠い、のっぺりした時間が続く。だがその時間も、あなたや私が呟くツイートによって、あなたも私も細切れに記録されていく。それは確かに私たちの日常だ。逃避こそが人生だ。逃避だって立派な気分転換なんだ。


そんなことを言ってると、だいたい怒られるぞ。

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ラリー元
気分転換 2019/11/8