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コミチさんの作品:第4話 ネームの描き方

みなさんこんにちは!

この連載では、縦スクロールマンガの基本的な描き方について実例マンガを交えて解説しています。ぜひ第1話から読んでいただけるとうれしいです!


今回は、縦スクロールマンガのネームの描き方についてくわしく解説していきます。

まずはこちらのマンガに目を通してみてください(第1〜3話の続きです)。




縦スクマンガにおいて第一に大切なことは、「流れるように読めるか」ということです。ネーム段階から、手持ちのスマートフォンで見え方をこまめに確認しましょう。

マンガを描くときにはタブレットなどのデバイスを使用することが多いと思いますが、見え方を確認するときは読者がマンガを読む環境を想定することをおすすめします。


また、ネーム段階で意識しておくべきポイントはほかにもいくつか挙げられます。

実例として、この連載の第1話〜2話にガイドを加えたものを見てみましょう。




「縦スクマンガ」としての読みやすさ
縦スクマンガは、ページをめくっていくマンガとは異なり基本的に1コマずつ目に入ってきます。そのため、スマートフォンの画面にどうコマがおさまるのか、ということを意識する必要があります。

例えば、見せ場ではない1コマにスクロールが必要なほどの大きさをとってしまうのはあまりよい演出とは言えません。ネームの段階からスマートフォンでの見え方を確認して、シーンに合った適切なコマの大きさを見極めましょう。


視線誘導(赤い矢印)
縦スクマンガの場合、視線誘導は基本的に上から下への一方向になります。しかし、この原則に厳密にのっとるだけでは単調になりすぎてしまうかもしれません。コマをジグザグに配置するなどの工夫で目線を左右に動かし、読者を飽きさせないリズムを作ることも必要です。コマの大小でメリハリをつけるのも効果的でしょう。


適切な間(青い矢印)
場面が切り替わるときや時間が経過したときなどに適切な間を入れることで、物語のリズムを作ることができます。

場所、時間など空間の説明

第2話で、縦スクフルカラーマンガの利点のひとつとして「背景の省略」をお伝えしました。ただ、はじめからすべてを省略すると読者は状況を把握できなくなってしまいます。
冒頭では、読者が物語の世界観を把握するために必要な場所、時間などの情報はきちんと説明するようにしましょう。


また、冒頭で読んでいただいた第4話目は、枠や吹き出しの色を変えています。

こうしたフルカラーならではの工夫をすることで、最低限の言葉で状況を説明したり、吹き出しと人物が同じ画面内に収まらないないことも多い縦スクマンガでも誰が話しているのかわかりやすくすることができます。


今回は、縦スクマンガのネームの描き方について解説しました。

次回は、「読みやすい画面構成」について解説していきます。


こういうことについてもっと解説してほしい、これってどうなの?と思うことがあれば、コミチ公式Twitter へぜひご意見をいただけると嬉しいです!


マンガ:にいの(@niinomr

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