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佐渡島 庸平(コルク代表)さんの作品:現役僧侶の視点で最強の「エッセイマンガ」を描く
この連載では、『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などの編集者であるコルク代表・佐渡島庸平が、『コミチ』に投稿しているマンガ家の中から気になる存在を毎回紹介します。



誰かの体験こそが、一番面白い

今回は、近藤丸さんを紹介。


多くの人が、SNS上にマンガを自由にあげれるようになった今、「エッセイマンガ」はどんどん変わってきている。


これまでは、自分の知らない業界について描こうと思うと、その業界について学ぶことが必要だった。そうして描いた作品は、その業界に今まで疎かったからこその、初見の面白さを描くことができる。しかし、こういった作品は業界の知見が深い人からすると、興味を大きく引かれる話になりきらないこともあった。


今、ネットによって、この構造が変わった。業界の知見が深い人、本人が、マンガを描くようになってきた。これにより、これまでジャンルもののマンガとされてきたものも、本人が描くことで「エッセイマンガ」になっているのだ。


近藤丸さんは、現役の僧侶だ。僧侶でなければ「新人マンガ家が宗教マンガに挑戦!」と言われていたかもしれない。しかし、僧侶本人が描いているので、体験をともなったエッセイマンガになっているのだ。


ここで、近藤丸さんの作品を読んでほしい。


ヤンキーと住職



近藤丸さんの作品は、本当に面白い。


そもそも、現役の僧侶が身の回りに起きている事象をどう感じるのか。それをマンガで読めることが面白い。加えて、僧侶がヤンキーとのかけあいもいい。僧侶にとってヤンキーの存在は、怖いのか、興味があるのか、許せるのか、許せないのか。当事者だからこその、感覚があり、描けるものがあると思う。だからこそすごく面白い。



際物から王道へ

かつては、マインドフルネスや禅、予防医学の考え方は今ほど知られていなかった。そのため、仏教をテーマにしたマンガを描いても、際物扱いされていた。しかし、これほど広く世界的に考えが普及した今では、仏教は王道ど真ん中のテーマになっている。


これからの時代、仏教の専門知識を有しながらマンガを描ける近藤丸さんは、間違いなく最強だ。近藤丸さんには、その知識を武器にして、どんどん新しい作品に挑戦してみて欲しい!



▼近藤丸さんのマンガはコチラ



<編集協力:平井 海太郎

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