皆さんこんにちは、漫画ソムリエの東西サキ(@tozai69)です。
普段は、東京ネームタンクでマンガの【持ち込み先・進路相談】をしたり(https://nametank.jp/mochikomi-advice/)、漫画の技術や情報を交換し合うマンガ技術研究会(https://manga-tech.jp/)というところで活動したりしています。
そして、マンガ技術研究会の活動のひとつとして、時代感に追いつくために「常に最新の新連載をチェックする」というものがあります。
このコラムでは、毎月さまざまな雑誌や漫画サイトで始まる何十作もの新連載の中から、特に皆さんに注目していただきたい作品をご紹介します。
「この作品がなぜ今始まったのか?」「どういったところがその作品の魅力なのか?」という視点から新連載を解説していきたいと思いますので、ぜひそれぞれの作品をチェックしてみてくださいね。
1. 変臭者☆モミーの大冒険 / 漫☆画太郎
連載:ジャンプ+
https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331641777329
『ジャンプ+』の読者コメントの力で、画太郎先生の担当編集さんを誘導し原稿を受け取るために画太郎ハウスに到着させるという読者参加型のコミック発売PR連載なのですが、何度も繰り返される天丼ギャグとまるで誘導する気のない読者コメントとの絶妙なキャッチボールのインタラクティブ性が面白かったです!
2. ふたりぼっちのオタサーの姫 / クール教信者
連載開始:週刊ヤングジャンプ2020年22・23合併号
https://tonarinoyj.jp/episode/13933686331634743553
『小林さんちのメイドラゴン』をはじめとした多数のアニメ化作品の著者である、クール教信者先生の初週刊新連載ということで注目しました!
オタクさんたちに「ちやほや」されたいヒロインが入ったオタサーは部員が2人しかおらず、崇拝される対象である「姫」であるはずのヒロインがオタクの顔色をうかがうところがユニークでありふれた関係性も立場を入れ替えることによって新鮮なおもしろみがでるという学びがありました。がんばっても報われないヒロインに萌えます!
3. タイムパラドクスゴーストライター / 原作:市真ケンジ 作画:伊達恒大
連載開始:週刊少年ジャンプ2020年24号
https://www.shonenjump.com/j/rensai/ghostwriter.html
『鬼滅の刃』最終回と同じ号にスタートした本作がジャンプで漫画家を目指す物語であるところに、期待の大きさと「ジャンプというブランド力を高めたい」、「マンガ家を目指す少年を育成していきたい」という編集部の気概を感じました。最近少年ジャンプではマンガ学校をスタートさせるというニュースが話題となりましたが、それも方針の表れではないかなと思います。
4. 事件はスカートの中で / ずみ子
連載:コミックDAYS
https://comic-days.com/episode/13933686331617337929
本作のヒロインは誰かが誰かに注目したときに奇妙な「シャッター音」が聞こえるのですが、天然ドジっ子を演じながら電車や街中であえて下着を見せて「シャッター音」を聞くことに快感を得ています。
こんな行動をするヒロインに特別な生い立ちや過去があるわけでなく、ただ注目を浴びたい一心で下着を見せる地味な女の子、という設定がSNSで誰でも注目を集められる世相を反映していておもしろいなと感じました。
5. コロナくんの追憶 / 西島大介
連載:QJWeb
https://qjweb.jp/journal/17222/
新型コロナウィルス感染症によって壊滅した世界で、ひとり取り残された「コロナくん」が残った文化を手がかりに人類が何をすべきだったか探る物語です。第1話は映画『レオン』から理想的な自粛生活を学ぶという内容で、いま読むべきタイムリーな作品でした。
本作品は2020年4月29日というコロナ自粛生活渦中の中でスタートした作品なのですが、西島先生のような売れっ子作家さんがどうやってこんなタイムリーなネタで作品を連載までもっていったのか、その舞台裏にも大変興味がありますね。
気になる新連載はあったでしょうか?
どれも今後の展開が楽しみな連載ばかりですので、ぜひチェックしてみてくださいね!
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