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佐渡島 庸平(コルク代表)さんの作品:絶妙なズレで「笑い」を描き出す天才、小山コータローさん
この連載では、『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などの編集者であるコルク代表・佐渡島庸平が、『コミチ』に投稿しているマンガ家の中から気になる存在を毎回紹介します。


話以外が長い校長とは?

今回は、絶妙なズレで「笑い」を描き出す天才、小山コータローさんを紹介。


小山さんは、僕たちには気づけないパラレルワールドの世界に住んでいるかのようなマンガ家だ。まずは、小山さんのこの作品を見てもらいたい。




「話が長い校長」は比較的誰でも思いつく”あるある”だ。しかし、この”あるある”にズレを作り出そうとすると難しい。


僕がこの『話以外が長い校長』をTwitterではじめて見た時、まず視界に入ってきたのは長い髪の毛だった。「なるほど、そういうことか」と思って画像を展開してみると、なんと、手もあり得ないほどに長い!


このあり得ない絶妙な馬鹿さ加減のズラしが、僕の頭の中で、何度も思い起こされて、ずっと笑ってしまった。


そもそも「笑い」とは、どうやって生み出されるのか?


よく言われるのは、緊張と緩和だ。「緊張」と「緩和」の間には大きな「ズレ」がある。この「ズレ」によって多くの笑いは生まれている。


「ズレ」を作るためには、世間の"あるある"を嗅ぎつけることが重要だ。しかし、"あるある"をそのままに言うだけでは、「たしかにそうだね。」で終わってしまい、そこに「ズレ」は生まれない。


「ズレ」は、この"あるある"に対して「そんなことあるかい!」というツッコミを思わず入れたくなる不自然さを作ることによって生まれる。


思わずツッコミたくなるズレを生む

もう一つ見て欲しいのは『吐きpay』だ。

今、世の中でPayPayを知らない人はほとんどいないと思う。PayPayを使って食事の割り勘をするということも日常的によくあることだと思う。


このマンガでは、そんなPayPayでの割り勘というあるあるを、「1円分まで吐いて戻す」というギリギリありそうでないボケによって「そんなことあるかい!」と思わずツッコミたくなるズレをうまく生み出している。


彼が作品を通して見せてくれるパラルワールドの絶妙な不自然感に僕はどうしても魅せられてしまう。


今、コミチにいるマンガ家の中で彼の存在感は圧倒的だ。僕は彼の作品を読むたびにじわじわと好きな気持ちが溢れてきて、すっかり1ファンになっている。


是非、小山コータローの「不可思議なパラレルワールド」を味わって欲しい!


(▼)小山コータローの作品をコミチで読む!

小山コータローの投稿作品一覧


<編集協力:平井 海太郎

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