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ごとう隼平さんの作品:「オーバードライブ シンデレラ」/いぬパパ

こんにちは、「東京ネームタンク」のごとうです。


今回は第4回コミチ漫画賞「#ストーリーテリング」に投稿されたネーム添削の第1回目です。

今回の作品はいぬパパさんの『オーバードライブ シンデレラ』。


それでは、作品を振り返っていきましょう。





とてもおもしろい作品でした。最近、マンガ界では「愛すべき存在という概念としてのヤンキー」ブームが来ていると感じています。そこに目をつけた題材設定もいいですね。


十分おもしろい作品ですが、よりブラッシュアップさせるためのポイントをお伝えしたいと思います。


それは、回想の入れ方です。

この作品では、4P目にメインキャラクター2人の馴れ初めが主人公の回想として挿入されていますが、この位置がベストかどうかは少し疑問です。


なぜなら、回想の後にある「魔法使いの登場」という突然のファンタジー展開に読者がやや置いてけぼりになってしまっていると感じるからです。


ファンタジーな世界観を説明し、なおかつ「コレドナ感」(これどーなっちゃうの感)を演出するためには、回想では無なく魔法使いの登場〜主人公の変身シーンを物語の序盤に配置するのが良いのではないかなと思います。


では肝心の回想の場所ですが、セオリーとしてはクライマックス直前に入れることが多いです。


それはなぜかと言うと、登場人物の感情というものは物語が進むにつれてどんどんと積み重なっていくからです。この作品で言えば、主人公の「彼のもとに駆けつけたい」という感情が積み重なっていくことになります。


そして主人公の感情が積み重なることで、読者は「どうして彼に対してそんなに強い思いがあるのかな」と気になり出します。

そのタイミングで「どうして彼女がこんなに彼のもとに駆けつけたいかというと、それは昔こういうことがあって……」という回想を挿入することで、回想への導入をスムーズに行うことができるのです。


そうすることで、回想の後に描写されることになる「(彼の)チカラになりたい!」という主人公の思いもより強く伝えられると思います。


また、回想というものは、その後に表現される登場人物の感情を伝えるためにより効果的な場合に挿入します。


例えば、「こいつをぶん殴りたい」という感情の前に「昔からこいつに散々いじめられてきて……」という回想があれば、「ぶん殴りたい」という感情がより読者に伝わりやすくなりますよね。


こういった効果がない場合に回想を挿入したとしてもあまり意味のないものになってしまうことがあるので、効果的な使い方を押さえておくと良いでしょう。


次回の作品も楽しみにしています!



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