コミチ公式さんの作品:6月度『コミチ漫画賞』受賞者発表!

6月度『コミチ漫画賞』受賞者発表!

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こんにちは、コミチ代表をしていますマンディ @daisakku です。

急に始めたにも関わらず、91作品ものたくさんのご応募ありがとうございました!

本当に素晴らしいオリジナル作品ばかりで、漫画家さんの実力に改めて驚かされました。

コミチで普段マンガを投稿してくださっている漫画家さんの成長や、新しい漫画家さんの”強いメッセージ性”を見ることが出来て、コミチ漫画賞やってよかったなと本当に思いました。


マンガの最大限の魅力は、『伝える力』です。

絵・コマ割り・フキダシなど様々なマンガならではの技法によって、作家の強いメッセージを、読者に最大限に伝えることができます。

受賞作品はそんな作家の強いメッセージ性が出ている作品が多かったのではないでしょうか。


各受賞作品の寸評は審査委員の皆様にお任せするとして、ここで、改めてコミチ漫画賞の企画の主旨をご説明します。

コミチでは、お題を選んでから、マンガを描くシステムにしています。

理由は、お題ベースでマンガを描いたほうがテーマ設定がはっきりするため描きやすいと考えているからです。

そしてお題は、これからのマンガを描くために必要な要素として、

・主人公のキャラ

・関係性

・演出力

・ストーリーテリング

・画力

・コラボ力

の6つのカテゴリに分類しています。

詳しくはこちらを参考にしてください。


次に、『ラリー』というマンガの描き直しを推奨しています。

ラリーすることによって、漫画家さん自身が内省し、新しい気づきを得、共同制作によって新たなマンガの進化ができると考えているからです。

自分で描き直すのもよいですし、他人のマンガを描き直すことも推奨しています。


そしてコミチは新人漫画家を積極的に応援したい。

未来の大ヒット作家を輩出したい。

そういう思いで新人賞を捉えています。

コミチ漫画賞で投稿した作品をベースに、他の雑誌に投稿頂いても僕らは全く問題ありません。

あなたの最大の”メッセージ=萌え”が詰まった作品を待っています!


それでは各受賞を発表します。



<新人賞>

透明少女(ver.2)(LOG著)


(シャープさん @SHARP_JP コメント)

軋轢は加速して風景。気づいたら俺はなんとなく夏だった。

タイトルの「透明少女」と見るとついナンバーガールを連想してしまう私ですが、新人賞となる作者は、おそらくそんな曲も知る由ない若い方なのだろうと思います。

どことなく瑞々しい教室の風景。包帯を巻いたり、鏡餅を頭に乗っけたり、あげくのはてには巻かれた紙がピルピルと音がする笛みたいなおもちゃ(名前がわからない)を顔にくっつけて登校する、かぎりなく透明な少女。主人公の関西弁少年にしか姿が見えていないかのように、ほかのクラスメイトや先生は、彼女の存在にも、奇抜な格好にも、まるで触れる気配がない。不思議少女だ。

新生活がはじまる教室で少年が不思議な少女と出会うという、物語としてはいささか凡庸な滑り出しだと思います。私たちは、ボーイ ミーツ ガールで不思議な少女が現れる物語を読む時、たいていはその少女の不思議さが引き起こす事件を予想する。不思議が不思議を呼ぶ展開です。

だがこの作品は、唐突に変な終わり方をする。不思議な少女は、ただ自分を見つけてほしいから不思議な格好をしていたのだ。そして少年に見つけられた少女は、ふつうに照れる。不思議じゃないそのふつうさが、これからの物語の予想をひらりと裏切り、私はぐっと引き込まれてしまった。


(たらればさん @tarareba722 コメント)

ロクニシコージ先生の『すべてに射矢ガール』を思い出しました(大好きな作品です)。「異様に存在感が薄いと、どういう異様なことが起こって、当人たちの心象にどう影響を及ぼすのか」という想像力が試される作品ですよね。展開や演出は(「透明」という規格外の要素が加わることで)王道ラブコメを突っ走れるのではないかなと思います。続きが楽しみです。


(柿内さん @kakkyoshifumi コメント)

教室だろうと電車だろうと映画館だろうと、隣に美少女が座っていたら、人間見ないほうが難しい。設定に無駄なページを割かずに、誰でもすぐマンガの世界に入り込める王道の展開は、とっても良いですね。ただ、王道は時に既視感につながるもの。正直、「となりの関くんものか」と捉えてしまいました。僕はよく言うのですが、「パクるなら上を行け!」。それ系かと思わせて、その圧倒的上を行く展開を、脳に汗をかくレベルで考えてみてください。



<ラリー賞>

双極性障害の私がまんが家になった話〜おまけ編〜ラリー最終回(ブリ猫。著)


(シャープさん @SHARP_JP コメント)

そもそも「ラリーってなに?」という疑問をお持ちの方が大半だと思いますし、その疑問こそがここ、コミチの特長でもあるのですが、かんたんに言うと、マンガ制作の途中(ネームや下書き)から公開することで、読者や同業者からの反応を受け止めつつ、描き直しにトライしていけば、作家さんはすばやく成長できるのではないか、という考えに基づいたシステムです。

そして今回の作品は、その特異な「ラリー」という仕組みと使用上の注意が、うまく説明されている。作者は『うつを甘くみてました #拡散希望#双極性障害#受け入れる#人生』という実録エッセイも出版されているブリ猫。さん。

作者自身は「期せずして」と思われるかもしれないけど、コミチという場所を知り、マンガを投稿する作者の一連の行動が、ラリーの的確な説明になっています。そして、病気を抱えながらおそるおそる創作を進めざるをえない作者さんの困難にも、ラリーというシステムが手助けになりえることが語られる。それはあくまで個人的な事情かもしれないけど、孤独に直面する多くのマンガ家さんにとっても、きっかけや応援歌となりうるマンガだと思います。はじめてのコミチ・ラリー賞にはうってつけの作品。


(たらればさん @tarareba722 コメント)

「ラリー賞」の第一回にふさわしい機能解説作品でした。そこにちょっぴり個性を振りかけているところがいいですね。ラリーとしてはカウントされてなくても、「直してアップして、その反応を見てまた直して」は、自分の中に技術が少しずつ積み重なるという意味では決して無駄ではありません。ただ「ラリー数」というふうに分かりやすく目に見えると、成長(というより「書き直し」という練習量)が実感できるんですよね。そういうところ(まさにコミチの強み)がうまく説明されている作品でした。


(柿内さん @kakkyoshifumi コメント)

ラリー賞にふさわしい、まさに「ラリー」の解説マンガ。それでいて双極性障害という、よく知らないけどやたらインパクトのある病名(いわゆる躁鬱病のことなんですね)が引きになって、続きを読んでみたいと思わされました。

とにかくラリーでは、未完成でもかまわないのでネームからどんどん人に見せ、周囲の意見を参考に(もしくは無視して)どんどん書き直して、飛躍する、その「伸びしろ」を見せていってほしいです。



<大賞>

りさこのルール 第一話(つのだふむ著)

詳細はこちら


(シャープさん @SHARP_JP コメント)

今回のコミチ賞のテーマは「主人公のキャラ」です。キャラの魅力をいかに描くかが、選考の基準なのだと思います。そしてたいていの場合、キャラの魅力とは読者が憧れるかっこいい存在として、設計されることが多いはずです。そこでこの作品の主人公、園田。ダメなやつですよね。自分の個性を際立たせ、他人との差別化を図ろうとするばかりに、世間的にユニークとされる人物の言動をなぞる園田。ユニークな人物をセレクトする自分の審美眼こそが我が個性の根拠だと主張したいのでしょうが、園田の言うことなすことはすべて既視感だらけ。借り物の言葉は個性を確立するどころか、他人にはベタという印象しか植え付けない。はっきりいって、かっこわるい主人公だ。だけどこの主人公、あなたの心のどこかが強烈に反応しませんか。園田は私だ、と。空っぽな自分から目を逸らし、何者にもなれない予感を打ち消すために、私たちは心の中に「おれはおまえらとは違う」という自意識の塔を建てる。しかしその塔にしっかりとした基礎はない。柱も壁も、借り物か模倣物だ。そういう痛さが、私にもある。かっこわるい園田が、私の中にいる。そんな気持ちが掻き立てられたのは、きっとここで描かれたキャラの魅力にほかならないのでしょう。そして作品の最後、圧倒的にオリジナルな価値基準で生きるりさこが主人公の前に降り立つ。物語ははじまったばかりなのだと思います。続きが読みたい。大賞に推すから、ぜったいに続きを描いてください。


(たらればさん @tarareba722 コメント)

つのださんは自意識の過剰さ具合をすくい上げるところに特徴があり、「ストーリー」よりも「シーン」を見せることが得意なんだなとよくわかる作品でした。縦読みに全振りしたコマ割りと演出は、刺さる人とそうでない人の差が大きそう。「何か【こうしたほうがいいんじゃない?】と言いたくなる」というのも作品の魅力であろうし、そういう意味で、コミチのサイトにある「こしのりょう先生のコメント」を含めて大賞としたい作品です。


(柿内さん @kakkyoshifumi コメント)

今回の応募作の中では一番漫画家としての実力を感じさせられる作品でした。話の随所に読者を引き込ませるための工夫が盛り込まれていて、このマンガに対する異様な熱が伝わってきます。

しかしその反面、ちょっと小技を「効かせすぎ」ている印象もあり、主人公・園田の顔より作者自身の顔がチラついてしまい、僕はあまりこのマンガの世界に入り込めなかったのも事実。熱量ゆえに、少し肩に力が入りすぎているのでは? 

個人的には「宗教法人リアル・ユー」が一番刺さりました(園田やりさこの存在よりも)。なので、園田にはぜひ2話から、リアル・ユーに入信してもらいたい。それくらいの軽やかさがもう少しあると、気楽に面白く読めるのですが。

今はまだ、読むのにちょっと疲れてしまう、かな。





最後に、次回のコミチ漫画賞は、今月7/22〜28でお題は「関係性」です。

キャラクター同士の「関係性」は、マンガの魅力の一つです

例えば、少女漫画では『男女の関係性』、BL漫画では『男性同士の関係性』が漫画の魅力です。

(もし迷ったら相談してください)


たくさんのご応募お待ちしています!



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