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シャープさんさんの作品:気温に敗北し続ける話

コートの出動はお済みでしょうか、@SHARP_JP です。毎朝の習慣として、テレビで、アプリで、あるいはツイッターで、その日の気温を知る人は多いでしょう。私も飽きもせず、朝に気温を調べては「ほう、最高気温は23℃か」とか「きょうはぐっと下がり12℃か」などと独りごち、その日にとるべき服装や行動を冷静に選択しているつもりだ。


だがここで告白すると、私はいまいち気温がわからない。気温という、℃で表される科学的事実とフィジカルな実感覚が呼応していないのだ。つまりなにが言いたいかというと、13℃がどれくらいの寒さで、27℃がどれくらいの気候を表すのか、いまだによくわかっていないのです。数字と体感が結びついていない。だからその日の気温を教えられても、実際のところ、その気温に適した服装を選べたためしがない。出かけた先の私は、いつもちょっと寒いか、暑いのだ。


そんな私だから、だいたい1℃のちがいなど、わかるはずもない。0℃で水が凍るのは知識としてあるけど、2℃と3℃にいかほどの差があるのか知らないし、10℃と15℃では、それがどんな気候的な差を持つのか、瞬時に想像できない。要するに私は感覚が鈍いから、私の皮膚と気温は乖離し続けるのだ。悲しい。


これらは多分に、運動神経に由来すると踏んでいる。なぜなら私は乗り物に乗った時に目にする「あと100m」といった標識も、それが体感的にどれくらいで到来する距離なのか、まったくもって把握できない。たとえばロードサイドの国道を車で走る時、「4km先にマクドナルド」「イオンまで20km」などと、頻繁かつ親切に教えてくれるけど、みんなはあれを的確に「あと何分後だ」と正確に見積もりしてると思うと、私はうなだれるしかない。


ただ温度に関して言えば、さいきん私は「単位としての1℃」の違いがどれほどのものか、体感訓練する術を見つけた。それはお風呂の湯はり温度を1℃上げてみるのだ。1℃の違いの大きさがよくわかる。私と同じように、気温に鈍感な人は、いつものお風呂を1℃だけ上げてみればいい。あなたが思う以上に熱くてびっくりするから。1℃の差が実感できると、最高気温と最低気温がいかに私たちの生活を翻弄するか、ほんとうによくわかってくる。


ころもがえ(手石ロウ 著)


気温に適切な対処ができない人がここにもいた。たとえ家の中でも、季節の変わり目の温度差は由々しき問題だ。来る日も来る日も自堕落に同じ服を着がちな部屋着だからこそ、深刻な事態に陥ることも多い。このマンガのようにインドアでふるえることになる。


外出着は衣替えする人でも、部屋着はつい億劫で、根本的な対策を施さない人も多いはず。この作品のように、ネックウォーマーやマフラーなどで、寒さをしのごうとする横着もよくわかる。だがしょせんはオプションアイテムだ。気温の低下はバカにはできない。お風呂の湯だって1℃で劇的に変わるのだから、数度の気温の下降には抜本的対策が必要なのです。まずは肌を覆う。長袖、長ズボン。そして部屋のメインの暖房器具だ。


寒いと思ったら、エアコン。だが電源を入れる前に試運転とお手入れをお忘れなく。季節の変化に風情を感じるわりには、日々の気温に鈍感なみなさんへ、自戒を込めた私からのお願いです。

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