マンガの必殺技辞典 あ行 第五語 「アタリ」

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「アタリ」


アタリを取る…というと、本格的な下描きの前段階のラフを描いて、絵の大まかな部分を決めるということだ。

その目的は、僕のようなチキンでも萎縮することなく自信を持った線で大胆に絵が描けるよう、絵の基本となる設計図(下描きの下描き)を、予め描いてしまおうということ。

そのためにはその絵で自分は何を表現して伝えなければならないのかをハッキリさせなければならないし、そこを考えないならアタリを取る価値なんかない。


読者に絵を分かり易く伝えるのは、余白も含めた画面上でのバランスが大切だ。

キャラクターのほんの一部分だけが切れてしまうのは閉塞感があって読みづらくなる。

読みやすさの頂点を極めた藤子F不二雄先生のドラえもんでキャラの一部が意味なく切れてるシーンがあるだろうか?

確認してみて欲しい。見せるべきものが見せられる最高の構図がどのコマにも用意されているはずだ。

もちろん読みやすさが全てではない。台詞、吹き出しとの位置関係も流れるように読める位置に配置すべきだ。

商業用のイラストならフォントの配置とのバランスを考えなきゃならない。

そうした意図をハッキリさせることこそ「アタリ」の価値だろう。


ただし、勢いある絵を描きたい時はバランスをわざと崩して動きを作った方が良い時もある。


いろいろ言ったけれど…間違って欲しくないのは、ルールはないってことだ。決まり事ではなく、意図が必要だってことなんだ。意図がないまんまに描いちゃいけないよってことだ。

どの絵にも表現したい最高の魅せ方があるはずで、常に考えなきゃならないってコト。


マンガの絵はイラストとは上手さのベクトルが違うので比べられないとは、よく言われることだけれど、つまりは考えなきゃいけないこと、意図が違ってくるってことなんだ。

漫画の絵の上手さは面白さを伝え切ることにあるんだよ。

コラム
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