寝る前にやるか、寝てからやるか。

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ラリー元
よくあること
シャープさんさんの作品:寝る前にやるか、寝てからやるか。

なんだかいつも気ぜわしい、@SHARP_JP です。忙しい現代人の生活は、寝る前にやるか、寝てからやるか、の二択を迫られ続けているといっても過言ではない。私もそうだ。このコラムだって、寝る前にやるか、寝てからやるか、その選択に毎晩悩み、結局締め切りの前日に書かれる。つまり、寝てからやるぞという決意が数日にわたって繰り返されているわけだ。寝てもやれない。意志が弱い。


仕事にしろ、家事にしろ、あるいはなにかの創作にしろ、やらないと始まらないし、やらないと終わらない。やる気の問題というのはかんたんだけど、私たちの腰にはずっしりと億劫がぶら下がり、始めるには「叱咤される」とか「催促される」といった、内面の問題とは別の要因が必要なのかもしれない。自らが重い腰を持ち上げるには、焦りを引き起こす外部性が持ち込まれないといけないのだ。少なくともそういうタイプの人間がいる。ここにいる。


そしてそういう人間の内側では「急いては事を仕損じる」という油断と「窮鼠猫を噛む」という楽観がナチュラルに同居していたりするから余計にタチが悪い。はた迷惑なのは自覚している。


ただ一方で、まあなんとかなるだろうと腹をくくりながら、最後はなんとかできると信じることは、ある種の真理ではないかとも思う。なにかを思いつくことで進む仕事や、アイデアと工夫をひねりだす仕事。あるいは物語を紡いだり、なにかを表現する行為。そんな、自分の中を覗き込み、自分の中から出てくるタネをすくい取る種類の物事には、自分を待ち、自分を信用するという心構えが必要な気がする。



よくあること(あまいろ 著)



仕事をしながら創作に取り組む人は多い。副業の時代とか、そういう社会的なイシューとは別に、なにかが好きで自分の時間を費やし、自分でなにかを生み出そうとする人はたくさんいると思う。インターネットにはそうやって生み出されたものがいっぱいだ。中には、これは私が生み出すべきだったのではと激しく嫉妬するような、あるいはこんなの見たことないと出会い頭の衝撃をもたらすような、素晴らしいものがいくつもある。どれも、どこかのだれかがじっと自分の中を覗き込み、辛抱強く待ってはすくいあげたものをせっせと磨くという行為を、夜な夜な孤独に繰り返した先に生まれたものだろう。


繰り返しの日々の中には、この作品のように、やろうと思いながらも日中の疲れから寝てしまったこともあるにちがいない。寝る前にやろうという決意があえなく崩れる瞬間。目覚めた時の自分に対する絶望が、今日もいたるところで発生しているのでしょう。だが不本意な寝落ちでも、人は無意識のうちに、寝る前にやるか、寝てからやるかの二択を前にして、寝てからやろうを選んでいるのではないか。人は意識の奥で、心身からの要請を総合的に判断して、まずは寝ることを決断しているように、数々の寝落ちをくぐり抜けて来た私は思うのです。


言い換えれば、寝てからやろうという判断は、寝て起きる、未来の自分を信じる行為だ。なにかを思いつき、なにかを生み出すために、自分を待ち、自分を信じることができる人にとって、寝ることは逃避ではない。それは寝る前の自分が、寝た後の自分にバトンを渡す行為。バトンは信用できる相手だからこそ渡すことができる。だから不本意な寝落ちからの絶望も、自分を信じているからこそ、再び立ち上がることができるのではないだろうか。


とかなんとか、つべこべ言わずにやれという話ですか。すみません。寝たらがんばります。みんなもちゃんと寝ような。私の経験上、寝てからやる方がうまくいくよ。


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#コラム #やりすぎ  2019/10/17更新
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