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ごとう隼平さんの作品:「渡る記憶」/sakana

こんにちは、マンガ制作研究組織「東京ネームタンク」のごとうです。


今回は、7月のコミチ漫画賞『#関係性』に投稿されたネーム添削の第4回目です。


今回の作品はsakanaさんの『渡る記憶』。

それでは、作品を振り返っていきましょう。



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キャラクターが魅力的に描けているし、バトルも気合が入ってます。爽やかさもあって良い作品ですね!

まずは48ページをまとめて描けたということを自信にしてほしいです。感情の盛り上がりも作れていましたね。



さて、更に良くしていくためのブラッシュアップなんですが、sakanaさんはストーリーを「できごと」中心に話を組んでいるのではないでしょうか?

こんなシーンを入れたい、というのを先行して作っていったんじゃないかなという感じがします。しかしそうすると、どうしても「感情」が上手く繋がらないところが生まれてきてしまうんですね。


具体的にあげてみると、幼馴染が記憶を無くしていることがわかったシーン。


彼女と再会した時の主人公の感情が少しさっぱりしすぎているので、2人がどんな関係性なのか読者に伝わりにくくなっています。


これを解決するには、この状況になったらこのキャラクターはどんな感情になるのか?ということをしっかり考えると良いと思います。


例えばこのシーンでは


「ああ、やっぱり忘れてるんだ...そうだと思ったよ。だってお前、あんな意味深なこと言って居なくなったもんな」


という感情になるんではないでしょうか。


キャラになりきって「その状況になったらどんな感情になるか」を描いてあげると良いですね。



漫画を描くときは「できごと」からではなく「感情」から展開を考えていってほしいです。

そう考えると、冒頭のシーンも少し変わってくるんじゃないでしょうか?


彼女が居なくなったことが心の中にずっと抱えていた少年なのだとしたら、彼の顔の傷によって不良に見られることはそれほど重要ではないかもしれません。


むしろこの傷があることによって、彼女との出来事が事実だということが証明になる。この傷を彼女との最後の記憶として大事にする、という感情もありえます。



また感情を伝えていく上で、キャラクターがどんな人間なのかの情報も大事です。

どんなやつかが分からないと感情も伝わりにくいからです。


その意味で彼女の設定はもう少し具体的に掘り下げてあげると良いと思います。

どんな職業なのか?日本にどれくらいいるのか?どんな時に登場するのか?がセリフの端々から伝わってくるとより状況を理解して、感情に深く入っていけるのではないかと思います。




***




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