今日は、1989年9月12日に行われた、阿部隆5段と大山康晴15世名人の将棋を並べた。
真剣に棋譜並べをすると1時間ぐらいでヘトヘトになってしまい、それ以上は中々続かない。だが、この棋譜はその中でも格別に疲れた。
なぜなら、この勝負、226手も続いたからである。普通の将棋の倍ぐらいの長さである。結果は、大山15世名人の勝利だった。
並べ終わって、ふと疑問が思い浮かんだ。
大山先生は亡くなる3年前、ガンと闘病していた時期ではないだろうか? 体力面で大丈夫だったのだろうか? 対する阿部先生は21歳、気力体力ともに充実した若者である。
体力だけで負けそうである。プロの将棋というのは一日中考え続ける。頭脳の回転だけで勝てるわけではなく、ずっと座っていられる体力が必要なのだ。老人には不利なゲームだと思う。
だが、大山先生は勝った。
なぜなのだろう。しかも、途中まで苦しい将棋を逆転勝ちしたのだ。
わたしも、漫画のネームを一日10時間ぐらい考えることはある。だが、疲れてくるとわけがわからなくなる。
そういうことが、大山先生にはなさそうなのだ。
もしかすると、将棋との相性が本当に良かったのかも知れない。
こうしたエピソードを色々調べていると、将棋のプロの凄さが分かってくる。
そして、わたしの人生も、大山先生のようにありたい、そう思うのだ。
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